リオのキリスト像が雷でたびたび傷つくって本当?
リオデジャネイロのキリスト像が雷でたびたび傷つく話は、本当です。2008年と2014年には落雷で指や頭が欠け、修復されました。
像が立つのは標高約700メートルの丘の頂上。周りに高いものがない場所に、高さ30メートルの像が両手を広げて立っています。
丘の頂に立つ38メートル
キリスト像があるのは、リオデジャネイロのコルコバードの丘です。標高はおよそ700メートル。
像そのものの高さは30メートルで、台座の8メートルを足すと38メートルになります。広げた両腕の幅は28メートル。
1922年に工事が始まり、1931年10月12日に完成しました。設計はブラジルの技師エイトル・ダ・シルヴァ・コスタ、像の造形はフランスの彫刻家ポール・ランドフスキが手がけています。
中身は鉄筋コンクリートで、表面はミナスジェライス州で採れる滑石という石で覆われています。
年に3〜5回、雷が落ちる
雷は、周囲より高く突き出たものに落ちやすい性質があります。丘の頂上に立つ38メートルの像は、その条件をそのまま満たしています。
ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によると、像には年に3〜5回ほど雷が落ちています。その大半は目立つ被害を残しませんが、まれに石の表面を欠けさせます。
2008年と2014年に欠けた場所
記録に残る大きな被害は2回あります。2008年2月10日の落雷では、指と頭、まゆの部分が傷つきました。
2014年1月17日には、右手の指が欠けています。この日リオを襲ったのは3時間ほど続いた激しい雷雨で、被害は右手の親指と中指に及んだと報じられました。
2010年には約400万ドルをかけた大規模な改修が行われ、そのとき避雷針も補修されました。
避雷針があるのに欠ける理由
像の頭と両腕には避雷針が取り付けられています。避雷針は雷の電流を地面へ逃がす装置で、建物や像の本体が壊れるのを防ぎます。
ただし守りは完全ではありません。落雷の瞬間には強い熱と衝撃が生まれ、表面を覆う滑石の一部が欠けることがあります。
滑石はやわらかく加工しやすい石で、モザイクのように貼り合わせて像の肌を作っています。避雷針は像の骨組みを守れても、その薄い外装まではかばいきれないのです。
直すための石が取ってある
2014年の修復には30人以上の作業員が入りました。使われたのは、建設当時と同じミナスジェライス州産の滑石です。
リオの大司教区は補修用の石をあらかじめ保管しており、色や質感が浮かないようにしています。作業は2014年7月11日に終了。
費用はおよそ85万ドルで、このとき避雷針も新しいものに交換されました。像はこうして、90年以上ずっと同じ産地の石で継ぎ足されてきました。
「雷でたびたび傷つく」という話は、記録に残る事実でした。年に数回の落雷を受けながら、像は同じ石で直され、1931年の姿を保っています。
リオを訪れる機会があれば、右手の指先に目を向けてみてください。そこは一度欠けて、同じ産地の石で作り直された場所です。
参考にした資料