地球の生き物の半分は昆虫?その種類の多さ
人間が名前をつけた生き物は、およそ217万種。そのうち約100万種が昆虫です。
つまり、記載された生き物のおよそ半分が虫ということになります。しかもこの100万種は、地球にいるとされる昆虫の1〜2割にすぎません。
「半分」の中身
国際自然保護連合(IUCN)がまとめた2025年時点の集計では、記載済みの生物は約217万種です。うち昆虫が約100万種、割合にすると46パーセントほど。
鳥は1万1000種あまり、爬虫類は1万2000種あまり、哺乳類は6000種あまりですから、けたが2つ違います。資料によっては「半数以上」と書かれますが、これは細菌や菌類まで数えるか、動物だけで数えるかで割合が動くためです。動物に絞れば昆虫の比率はさらに上がります。
いちばん多いのは甲虫
昆虫のなかで最大のグループはコウチュウ目です。カブトムシ、テントウムシ、ゾウムシなどの仲間で、記載種は約38万種。
昆虫全体のおよそ4割を占めます。英国の王立昆虫学会は30万〜40万種としています。
チョウやハチ、ハエをすべて足しても、甲虫ひとつの数にようやく並ぶほどの偏りです。
まだ8割は名前がない
全部で何種いるのかは、推定に幅があります。王立昆虫学会は最大で約1000万種、2018年に学術誌『Annual Review of Entomology』へ載った推計は約550万種としました。
後者で計算すると、名前がついているのは全体の2割にすぎません。未記載の種は、熱帯林のように調査の手が届いていない地域と、甲虫・ハエ・ハチのように種類が多すぎて手が回らない仲間に集中していると見られています。
新種の記載は全生物あわせて年2万種ほどのペースで、この差はすぐには埋まりません。
小ささが種類を増やした
数が増えた理由の一つは、体の小ささです。多くの昆虫は体長2〜20ミリで、大きな動物なら見向きもしない場所が、そのまま一生の住まいになります。
一枚の葉の裏、木の皮の下、キノコの内側。すみかが細かく分かれるほど、別の種に分かれる余地が生まれます。
もっとも小さい寄生バチは体長0.139ミリで、肉眼ではほとんど見えません。加えて、外骨格が乾燥や衝撃から体を守り、飛べる唯一の無脊椎動物として移動範囲も広げました。
完全変態という分かれ道
昆虫28目のうち、さなぎを経る完全変態をするのは9目だけです。ところが現生の昆虫の約86パーセントが、この9目に属します。
幼虫と成虫で体を作り替えられるため、食べ物も居場所も別にできるからです。チョウの幼虫は葉を食べ、成虫は花の蜜を吸います。
親子で同じ資源を奪い合わない仕組みが、種の増え方に効いたと考えられています。繁殖力も桁違いで、シロアリの女王は20〜25年の生涯に、1000万匹を超える働き手を産むことがあります。
昆虫の総数は、まだ確定していません。今わかっているのは、名前がついた100万種の外側に、その数倍が控えているらしいということです。
次に虫を見かけたら、図鑑に載っているかどうかを考えてみてください。種の数でいえば、まだ名前のない仲間のほうが多数派です。
参考にした資料