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お腹はなぜ鳴る?あの「グー」の正体

2026年7月 · 読了2分
お腹はなぜ鳴る?あの「グー」の正体

お腹が鳴る音は、胃ではなく主に小腸で生まれています。空腹になると胃と小腸を強い収縮の波が走り、中に残った空気と液体を一気に押し流します。

その音が空っぽの胃に反響して、「グー」と聞こえるのです。正体は、消化管が自分の中を掃除している音でした。

医学名は「ボルボリグミ」

お腹が鳴る音には、ボルボリグミ(borborygmi)という医学用語があります。古代ギリシャ語の擬音語が語源とされ、日本語の「グー」と同じで、聞こえた音をそのまま言葉にしたものです。

お腹の音と呼ばれますが、実際に音が出ている場所の多くは胃ではなく小腸です。腸は中が空洞の管なので、水道管を流れる水の音のように、体の中で音が響きます。

90分ごとに走る「お掃除の波」

空腹のときに胃と小腸を走る収縮の波を、伝播性消化管収縮運動(MMC)といいます。1969年、アメリカのメイヨー・クリニックのジョセフ・シュルシェフスキーが、絶食中のイヌの腸で発見しました。

この波は食べ物が入っていないときだけ現れ、消化しきれなかった食べかすや細菌を先へ先へと送り出します。胃が空になってから2時間ほどで動き始めるとされ、その働きから「消化管のお掃除屋」と呼ばれています。

音が出るのは第3相

MMCは4つの相を繰り返します。ほとんど動かない第1相、不規則に動く第2相、最も強く速く収縮する第3相、そして力が抜けていく第4相です。

1周にかかる時間はおよそ90分から230分で、そのうち静かな第1相が40〜60パーセントを占めます。あの「グー」が鳴るのは、5分から10分ほど続く第3相のときです。

第3相の引き金を引くのは、モチリンという消化管ホルモンだと考えられています。食事をすると波は止まり、450キロカロリーの朝食で約213分止まったという報告もあります。

空腹のときだけ目立つ理由

実は、お腹の音は食後にも鳴っています。それでも空腹時に目立つのは、中身が詰まっていると音が吸収されてしまうからです。

胃や腸が空になると、内部の空洞が音を大きく響かせます。音のもとになる空気は、食事や飲み物といっしょに飲み込んだものと、炭酸飲料のガスです。

早食いをすると空気を多く飲み込むため、音も出やすくなります。

放っておいてよい音と、そうでない音

お腹の音のほとんどは正常なもので、消化管が動いている証拠です。むしろMMCがうまく働かないと、小腸に細菌が増えすぎる小腸内細菌増殖症(SIBO)につながります。

眠っている間は腸の動きが落ち着くため、音は自然に少なくなります。ただし、注意したほうがよい場合もあります。

血便が出る、吐き気や下痢、便秘が続く、嘔吐を伴うといったときは医療機関を受診してください。高い音が続く場合は、腸閉塞の初期の可能性があります。

静かな場所で鳴っても、恥ずかしがる必要はありません。次にお腹が鳴ったら、お掃除の波がいちばん強い第3相に入った合図だと思ってください。

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