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駅やカフェの無料Wi-Fiは何が危ない?表示の種類と、使ってよい場面の比べ方

2026年11月公開 · 読了9分
明るいカフェの店内で、ノートパソコンを使う男性

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無料Wi-Fiは、地図やニュースを見るだけなら使ってかまいません。避けたいのは、ログインやカード番号の入力です。危なさの中身は「暗号化がない」「パスワードを全員で共有している」「名前をまねた偽物がある」の3つで、どれも画面の表示とつなぐ相手を確かめれば判断できます。

この記事では、Wi-Fiの表示の種類を比べ、場面ごとに使うか避けるかを表にまとめます。

電波は、範囲内の全員に届いている

「Wi-Fi」は、もともと業界団体Wi-Fi Allianceの認定を受けた機器の呼び名です。認定製品が増えて、今は無線LAN全般をWi-Fiと呼ぶことが多くなりました。空港・駅・ホテル・図書館など、だれでも使える公衆Wi-Fiも増えています。

無線の電波は、受信できるアンテナがあれば範囲内の全員が受け取れます。IPA(情報処理推進機構)の説明では、端末とアクセスポイント(Wi-Fiの電波を出す親機)の間が暗号化されていなければ、傍受した第三者に通信の内容を知られる恐れがあります。電波を受け取ること自体は違法ではありません。内容を漏らしたり悪用したりすると、電波法59条に触れます。

手紙にたとえると、暗号化のないWi-Fiははがきです。配達の途中で、だれでも文面を読めてしまいます。

鍵マークがあっても、安心とは限らない

Wi-Fiの一覧に鍵マークが付いていれば、端末と親機の間は暗号化されています。ただし、店内にパスワードが貼り出されている形は別です。

暗号化の鍵を不特定多数で共有していると、同じ鍵を知るほかの客も、暗号化された通信を解読できます。はがきを封筒に入れても、店の客全員が同じ合鍵を持っている状態です。IPAは提供する側に、パスワードを掲示せずSMSで個別に送る・定期的に変えるといった工夫を求めています。総務省も2020年の改定で、パスフレーズを公開していると解読のリスクが高まると明記しました。

同じWi-Fiにつながった端末どうしが見えてしまう問題もあります。総務省の事例では、暗号化されたカフェのWi-Fiで客のパソコンの共有フォルダがほかの客から見え、写真を見られました。端末どうしのアクセスを制限していない店だったためです。

名前をまねた、偽のWi-Fi

3つ目は、本物と同じ名前(SSID)とパスワードを設定して、第三者が置く偽のアクセスポイントです。過去に本物につないだ情報が端末に残っていると、スマホは偽物に自動でつないでしまいます。偽のログイン画面を出して、実在するサービスのIDとパスワードを入力させる手口もあります。

総務省のトラブル事例には、パスワード不要の無料Wi-Fiをよく使っていたら、情報を盗む目的のスポットだったという話があります。原因として挙げられているのは次の3つです。

Wi-Fiの表示の種類を比べる

スマホやパソコンのWi-Fi設定を開くと、ネットワークごとに暗号化の方式が表示されます。主な表示を、意味と使い方で比べました。

Wi-Fiの表示ごとの意味(総務省・神奈川県警・Apple・Wi-Fi Allianceの資料をもとに作成)
表示意味使い方の目安
セキュリティなし(暗号化なし)通信が暗号化されていない見られても困らない用途だけ
WEP古い方式で、弱い暗号化なしと同じ扱い
WPA2パスワードを使って暗号化する方式パスワードが掲示されていれば、ほかの客にも解読される
WPA3新しい方式。Appleは家のルーターに推奨対応機器なら選ぶ
Enhanced OpenパスワードのないWi-Fiでも、データを暗号化する規格店や駅が対応していないと使えない

神奈川県警は、表示が「暗号化なし」か「WEP」のWi-Fiは、見られても困らない用途に限るよう呼びかけています。Enhanced Openは、パスワードのない従来のWi-Fiに保護が全くなかった点を改善した規格です。ただし利用者の側では選べず、提供する店や駅の対応しだいです。

場面ごとに、使うか避けるかを決める

表示を確かめたら、次は「何をするか」で決めます。IPAと総務省の資料をもとに、場面ごとの判断をまとめました。表の分け方は、この記事で整理したものです。

無料Wi-Fiで使ってよい場面・避ける場面(IPA・総務省の資料をもとに作成)
場面判断理由
地図・ニュース・天気を見る使ってよい見られても困る情報を入力しない
ログイン済みのSNSを見る注意して使う正しいURLでhttpsかを確かめる
初めてのログイン・パスワードの入力避ける偽のログイン画面のおそれがある
ネットバンキング・カード番号の入力避ける知られて困る情報は入力しない
災害時の00000JAPAN情報の入手に限る認証も暗号化もない

何を優先するかは、資料の時期で変わっています。2016年のIPAの資料はVPNの利用を勧めていました。2020年に改定された総務省の利用者向けマニュアルが柱にしているのは、https通信です。正しいURLでhttps通信をしていれば、Wi-Fiの暗号化に関係なく通信の内容は守られます。

それでも、httpsで守れないものがあります。偽のログイン画面に、自分でIDを打ち込んでしまう場合です。総務省がWi-Fiの名前と鍵マークに加えて、URLの確認を並べているのはこのためです。IPAの基本は、知られて困る情報を入力・表示しないことです。どうしても必要なら、携帯電話の回線を使います。

スマホとパソコンで変えておく設定

総務省の覚え方は、Wi-Fiの名前・鍵マーク・URLの3点確認です。知らない名前や違和感のあるWi-Fiにはつながず、店のWi-Fiステッカーで提供者と名前が合っているか確かめます。神奈川県警は、パスワード無しで接続できても、提供者が分からなければ使わないよう呼びかけています。接続アプリも、事業者公式のもの以外は避けます。

そのうえで、端末の設定を4つ見直します。

  1. 自動接続を見直す。一度使っただけの無料Wi-Fiは、設定から削除しておきます。
  2. 端末名に本名を使わない。「〇〇のiPhone」のような名前は、接続先から見えることがあります。
  3. パソコンはネットワークを「パブリック」にする。共有フォルダは共有を解除するか、パスワードを設定します。
  4. iPhoneのプライベートWi-Fiアドレスをオンのままにする。Appleによると、セキュリティが弱いネットワークでは既定でアドレスを2週間ごとに替え、追跡されにくくします。

家のWi-Fiも確かめておきます。総務省は、ルーターの管理パスワードの変更と、ファームウェア(機器の中のソフト)の更新を勧めています。Appleは家のルーターにWPA3を推奨しており、古い機器と合わせるならWPA2/WPA3の移行モードを選ぶとしています。

外でWi-Fiをよく使うなら、VPNという選択肢

VPNは、端末から先の通信を暗号化して、VPNの会社のサーバーを通す仕組みです。2016年のIPAの資料は、VPNを使うと入力内容やURLが暗号化され、Wi-Fiの暗号化やサイトのhttps対応を気にせずに盗聴対策になると説明しています。一方で、契約や費用がかかるとも書いています。

VPNで防げないこともあります。偽のログイン画面に自分で入力してしまえば、通信が暗号化されていても情報は相手に渡ります。入れれば防げる道具ではなく、上の3点確認と組み合わせて使います。Windowsには標準でMicrosoft Defenderが入っていますが、これはウイルス対策の機能で、VPNとは役割が違います。価格は台数・年数や時期で変わるので、リンク先の公式ストアで確かめてください。

NordVPN。公式サイトによると、1つのアカウントで最大10台を同時に保護でき、Windows・macOS・Linux・Android・iOSなどで使えます。料金ページでは、どのプランにも詐欺・フィッシング対策と30日間の返金保証が付いています。
向いている人:家族のスマホやパソコンを何台もまとめて守りたい人。向かない人:外ではほぼモバイル回線しか使わない人。
注意:更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください(公式サポートでは、Nordアカウントの請求の画面から自動更新を止める手順が案内されています)。
公式サイト:NordVPN

ExpressVPN。公式サイトによると、Windows 10/11・macOS 11以降・iOS 15以上・Android・Linuxに対応し、同時に接続できる台数はプランによって10〜14台です。日本語の料金ページで案内されているのは2年プランで、新規ユーザー向けに30日間の返金保証があります。
向いている人:パソコンとスマホに加えて、テレビなどほかの機器でも使いたい人。向かない人:2年の契約は長いと感じる人。
注意:カード払いなどでは、既定で自動更新になり、更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください(公式サポートでは、アプリの中では解約できず、Webのアカウント画面から止める手順が案内されています)。
公式サイト:ExpressVPN

よくある疑問

パスワード付きのWi-Fiなら、安全ですか?
パスワードが店内に貼り出されているなら、安全とは言えません。同じパスワードを知るほかの客も、通信を解読できるからです。ログインや入力が必要なら、正しいURLでhttpsかを確かめるか、携帯電話の回線に切り替えてください。
災害のときの「00000JAPAN」は使ってよいですか?
使ってかまいません。ただし総務省によると、00000JAPANは使いやすさを優先して、認証も暗号化もない形で開放されます。2011年の東日本大震災で、通信事業者が公衆Wi-Fiを無料開放したのが始まりです。安否や避難の情報を得る用途に限り、必要最小限にとどめてください。
無料Wi-Fiを使うなら、VPNは必須ですか?
必須ではありません。地図やニュースを見るだけなら、知られて困る情報は流れません。ログインや買い物を外ですることが多い人にとっては、通信を暗号化する手段の1つになります。

まとめ

無料Wi-Fiの危なさは、暗号化がない・パスワードを共有している・偽物がある、の3つでした。表示とつなぐ相手を確かめれば、見るだけの用途には使えます。ログインと支払いは、携帯電話の回線に切り替えてください。

今日のうちに、スマホのWi-Fi設定を開いてください。一度しか使っていない無料Wi-Fiを削除し、端末名に本名が入っていないかを確かめれば、自動でつながる心配が減ります。

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