LINEやSNSの乗っ取りはなぜ起きる?気づくサインと、乗っ取られた後の手順
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LINEやSNSの乗っ取りは、多くの場合、パスワードや認証番号が他人の手に渡ることで起きます。乗っ取りを疑ったら、まず「今のスマホでまだ使えるか」を確かめてください。使えるかどうかで、やることが変わります。
この記事では、奪われる流れと、LINE・Instagramの公式ヘルプにある対処の手順をまとめます。
乗っ取りは、鍵を他人に渡すことで起きる
SNSのアカウントは、IDとパスワードという「鍵」で開く部屋です。乗っ取りの多くは、扉を壊す侵入ではありません。何かの形で鍵が他人の手に渡り、正面から入られます。
警察庁の統計に、その手がかりがあります。令和7年に検挙された不正アクセスのうち、他人のIDやパスワードを使ったものは399件でした。IDやパスワードを手に入れた手口の内訳は、次のとおりです。
| 入手の手口 | 件数 |
|---|---|
| パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ | 84件 |
| フィッシングサイト(偽のログイン画面)から入手 | 77件 |
| 他人から入手 | 75件 |
| IDやパスワードを知り得る立場にあった | 61件 |
| 本人から聞き出した・のぞき見た | 35件 |
| ネット上に流出・公開されていたものを入手 | 9件 |
| スパイウェアなど | 3件 |
| その他 | 55件 |
これは警察が検挙した事件の内訳で、被害全体の割合ではありません。それでも、甘いパスワードと偽のログイン画面が上位に並ぶことは読み取れます。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、個人向けの脅威に「インターネット上のサービスへの不正ログイン」が11年連続で入りました。
鍵が渡る4つの道
鍵が他人に渡る道は、主に4つです。
- 推測されやすいパスワード。LINEは、推測されやすいパスワードが原因とみられる不正ログインが増えていると説明しています。総務省は、IDと同じ文字列、名前や誕生日、「123456」のような並びを危険な例に挙げています。
- パスワードの使い回し。別のサービスから流出したIDとパスワードを、そのまま試す攻撃があります(パスワードリスト攻撃)。使い回していると、1か所の漏えいで別のアカウントにも入られます。
- 偽のログイン画面や偽の連絡。「アカウントが停止されます」「再認証が必要です」といった連絡から、本物そっくりの画面に誘い、パスワードを入力させます。
- 認証番号を教えてしまう。SMSで届く認証番号は、本人確認の最後の鍵です。
LINEは、登録情報(電話番号・メールアドレス・パスワード)や認証番号を聞き出す行為、画面に入力させる行為は「全て詐欺」と明記しています。本物のLINEのサイトは基本的に「line.me」で終わるURLで、公式のメールは「@line.me」から届きます。
乗っ取りを疑うサインと、勘違いしやすい例
LINEの公式ヘルプは、気づく合図として次の2つを挙げています。
- LINEの公式アカウントから、ログインに関する通知が届いた
- 自分が送っていないメッセージが、友だちに送られていた
LINEでは、ログインしていない端末からのログインがあると、スマホに通知が届きます。
乗っ取られたアカウントは、本人になりすまして友だちにメッセージを送ります。家族や友人に、プリペイドカードなどを買うよう頼む例があります。
反対に、乗っ取りと勘違いしやすい例が2つあります。
- 今のスマホでメッセージの送受信ができている。LINEによると、この場合アカウントは乗っ取られていません。通知は、第三者がログインを試みただけの場合や、自分のパソコンやiPadからログインした場合にも届きます。
- 知らない人が友だちに表示される。アドレス帳の電話番号がLINEに登録されると、その相手が自動で友だちに表示される場合があります。乗っ取りとは限りません。
LINEにまだログインできるときの4つの手順
今のスマホでLINEが使えるなら、次の4つをこの順に進めます(2026年11月時点のLINE公式ヘルプによる)。
- パスワードを変更する。[ホーム]→[設定]→[アカウント]→[パスワード]から変えます。ほかのサービスと同じものは使いません。
- 「ログイン許可」をオフにする。スマホ以外の端末からのログインを許す設定で、初期設定ではオンです。パソコンやiPadでLINEを使わないなら、オフにします。
- ログイン中の端末を確かめる。一覧に身に覚えのない端末があれば、ログアウトさせます。
- 勝手に送られたメッセージを送信取消する。
ブラウザからのWebログイン経由が疑われるときは、追加の作業があります。[ホーム]→[設定]→[アカウント]で「Webログインの2要素認証」をオンにし、LINEと連動しているほかの会社のサービスからもログアウトします。⚠ LINEのパスワードを変えても、連動先のサービスからは自動でログアウトされません。
ログインできないときと、問い合わせの注意
「アカウントからログアウトされました」と表示されたら、まず「再ログイン」を試します。うまくいかない場合や「削除」を押した場合は、登録した電話番号とパスワードで引き継ぎを試し、それでも戻れなければLINEに問い合わせます。
問い合わせで知っておきたい点が2つあります。
- LINEが受け付けるのは、原則として本人からの問い合わせだけです。家族や友人が代わりに連絡しても、原則として受け付けられません。
- 乗っ取りが確認されると、LINEはそのアカウントを削除します。有料のアイテムやコインがあれば、新しいアカウントへ移されます。
お金の被害が出たときは、警察相談専用電話「#9110」に連絡します。#9110がつながらない電話からは、都道府県警察の相談窓口に連絡します。
Instagramが乗っ取られたとき
Instagramでは、Metaの公式ヘルプ(2026年10月時点)が次の順番を案内しています。
- [email protected] から、メールアドレスが変更されたという通知が届いていれば、そのメールの「アカウントの安全を確保」から変更を元に戻します。
- ログイン画面の「パスワードを忘れた場合」から、ログイン用のリンクを請求します。
- それでも戻れなければ、スマホからサポートにセキュリティコードを依頼します。自分だけが使えるメールアドレスを入力します。
- 本人確認を求められたら、案内に従います。自分の写真を載せているアカウントでは、いろいろな角度から自分を撮った動画を送る方法があります。
ログインできる場合は、パスワードを変え、二段階認証をオンにします。登録の電話番号とメールアドレスが自分のものか確かめ、心当たりのない連携アプリへのアクセスも外します。
二度と鍵を渡さないための設定
乗っ取りの対策は、鍵を強くすることと、鍵を1本で済ませないことの2つに尽きます。総務省は、基本の対策として「ソフトウェアを最新に保つ」「強固なパスワードと多要素認証」「不用意に開かない・インストールしない」の3つを挙げています。
- パスワードは、サービスごとに別のものにする。覚えきれない分は、スマホやブラウザに標準で入っているパスワード管理の機能に任せます。
- 二段階認証(2要素認証)をオンにする。パスワードに加えて、スマホに届く番号などが必要になります。
- LINEの「ログイン許可」と「ログイン中の端末」を、ときどき見直す。
- 認証番号は、相手が誰でも教えない。家族や友だちを名乗る相手でも同じです。
総務省の考え方では、パスワードを定期的に変えることより、流出が判明した時点で、すぐ変えることが大切です。
パスワード管理や偽サイト対策をソフトで補う
パスワードの管理は、スマホやブラウザの標準の機能で無料で始められます。Windowsには、ウイルス対策のMicrosoft Defenderも標準で入っています。家族の端末をまとめて管理したい人や、偽サイトの警告を足したい人は、市販のソフトを選ぶ手もあります。どのソフトも、入れれば乗っ取りを防げる道具ではありません。使い回しをやめることと、二段階認証が先です。価格は台数・年数や時期で変わるので、リンク先の公式ストアで確かめてください。
ノートン 360 デラックス(ノートン公式ストア)。Windows・Mac・iPhone・Androidに対応し、3台まで使えます。ウイルス対策に加えて、パスワード管理・ダークウェブモニタリング・VPNが入っています。
向いている人:パソコンとスマホのウイルス対策とパスワード管理をまとめたい人。向かない人:標準のパスワード管理の機能で足りている人(機能が重なります)。
注意:自動更新の有無は購入前に公式ストアで確認してください。自動更新の場合、更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
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ESET HOME セキュリティ エッセンシャル(キヤノンITソリューションズ)。独自のフィッシング対策機能で、詐欺サイトへのアクセスをブロックします。Windows・macOS・Android・iOSに対応し(対応する機能はOSごとに違います)、台数は1台・3台・5台、期間は月額・1年・3年から選べます。
向いている人:偽のログイン画面を開いた際の警告を足したい人。向かない人:パスワードの管理までソフトに任せたい人。
注意:自動更新の有無は購入前に公式ストアで確認してください。自動更新の場合、更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
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よくある疑問
- 友だちから「認証番号を教えて」と頼まれたら?
- 教えません。LINEは、認証番号を聞き出す行為を全て詐欺としています。友だちのアカウントが乗っ取られて、相手が本人を装っている場合があります。電話など別の方法で、本人に直接確かめてください。
- 家族のLINEが乗っ取られました。代わりに問い合わせできますか?
- LINEは原則として本人からの問い合わせだけを受け付けています。家族は、本人のそばで手順を手伝う形になります。
- 乗っ取られたら、アカウントを自分で削除すべきですか?
- 先に、この記事の手順で取り戻せるかを試してください。LINEでは、乗っ取りが確認されると運営がアカウントを削除し、有料のアイテムやコインを新しいアカウントへ移します。
まとめ
乗っ取りの多くは、甘いパスワードや偽の画面から鍵が渡って起きます。警察庁が検挙した399件でも、上位はパスワードの管理の甘さ(84件)と、フィッシングサイト(77件)でした。
今日のうちに、LINEの[設定]→[アカウント]を開いてください。ほかのサービスと同じパスワードなら変え、使っていなければ「ログイン許可」をオフにし、ログイン中の端末に知らない機器がないかを確かめます。
参考にした資料