アウトバーンでガス欠は違反?速度無制限の高速道路
ドイツのアウトバーンでガソリンを切らして止まると、罰金の対象になります。禁じられているのはガス欠そのものではなく、本線上で車を止めてしまうことです。
燃料切れは「避けられたはずの停止」と見なされ、突然の故障とは別あつかいになります。速度の上限がない区間を持つ道路だからこその考え方です。
止まること自体が禁止
ドイツの道路交通法(StVO)第18条第8項は、アウトバーンでの停止を路肩もふくめて禁止しています。認められるのは、事故や突発的な故障など、運転者にはどうにもできない場合だけです。
ガス欠は運転者が防げるため、その例外には入りません。止まった車が見えにくい位置にあると、後ろから来た車は高い速度のまま近づいてきます。
だから「止めない」ことが規則の中心に置かれています。
罰金は70ユーロと違反点1点
ドイツ自動車連盟(ADAC)は、燃料不足によるアウトバーンでの停止を「避けられる交通の妨げ」にあたるとして、禁止されていると説明しています。罰金は70ユーロで、フレンスブルクの交通違反者登録簿に1点が記録されます。
運転者には、走行に足りるだけの燃料を積んでおく法的な義務があるためです。この扱いは電気自動車も同じで、バッテリーを空にして止まれば同じように罰せられます。
なおADACが燃料計を調べたテストでは、残りの走行可能距離を実際より多く表示した車は1台もありませんでした。表示がゼロに近づいてから、さらに8キロから60キロ走れた車もあります。
ただしこの差は坂道や渋滞、加速の仕方で大きく変わります。表示を当てにして走り切ろうとせず、早めに給油所へ入るのが確実です。
歩いて渡ることも禁止
同じ第18条の第9項は、歩行者がアウトバーンに立ち入ることを禁じています。車が時速100キロ以上で流れる道では、人が一歩入るだけで命に関わるからです。
さらに第18条第1項により、設計上の最高速度が時速60キロを超えない車両は走行できません。原動機付自転車や自転車、農作業用のトラクターをアウトバーンで見かけないのは、この決まりがあるためです。
速度無制限は全区間ではない
アウトバーンの総延長は約1万3223キロメートルです(2025年1月時点)。このうち速度制限のない区間は7割ほどで、連邦道路交通研究所(BASt)の調査では2015年が70.4パーセント、カーナビ会社のデータをもとにした2022年の調査でも70.7パーセントでした。
残りの区間には標識による上限があり、天候や交通量に応じて数字が変わる可変式の区間もあります。都市の周辺や勾配のきつい場所では、日本の高速道路と変わらない速度で流れています。
130キロは推奨であって義務ではない
1978年に定められたアウトバーン推奨速度令は、車両総重量3.5トン以下の車に対し、道路や天候の条件が良いときでも時速130キロを超えないよう勧めています。あくまで推奨なので、超えても違反にはならず、罰金も点数もつきません。
ただし事故が起きたときの扱いは別です。ADACによれば、130キロを守っていれば避けられた事故で、運転者に2割以上の過失が認められた判例があります。
ドイツで車を運転する予定があるなら、覚えることは一つで足ります。燃料計が半分を切ったら、次の給油所で入れておく。
それだけで、罰金と追突の危険をまとめて避けられます。
参考にした資料