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「ウイルスに感染しています」の偽警告はなぜ出る?画面の閉じ方と、電話してしまった後の対処

2026年11月公開 · 読了8分
ノートパソコンの画面を前に、頬に手を当てて困っている人

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警告音とともに「ウイルスに感染しています」と出る画面は、多くが偽物です。IPA(情報処理推進機構)は、画面が表示されただけならウイルスには感染していないと説明しています。いちばん大事なのは、画面に出た電話番号にかけないことです。

偽の警告で電話をかけさせ、お金をだまし取る手口は「サポート詐欺」と呼ばれます。この記事では、偽警告が出るしくみと画面の閉じ方、電話してしまった時の状況別の対処をまとめます。

突然、警告音と「感染」の画面が出る

IPAによると、偽のセキュリティ警告は、ウェブサイトの広告や検索結果の上位に出る罠の広告をクリックしたときなどに出ます。画面いっぱいに警告が広がり、警告音が鳴り続けます。マイクロソフトのサポートを装った表示で「今すぐサポートに電話を」と促すのが典型です。

画面が出た時点では、パソコンはウイルスに感染していません。困るのはその先です。表示された番号に電話すると、遠隔操作や支払いへと話が進んでいきます。

相談の数は、窓口ごとに次のように報告されています。集計の範囲がそれぞれ違うため、足したり比べたりはできません。

国民生活センターによると、2023年度の相談は前の年度の同じ時期の約1.3倍で、特に70歳以上で大きく増えました。離れて暮らす親のパソコンにも起こりうる話です。

偽警告のしくみ:「×」が効かず、電話させようとする

偽警告の正体は、ブラウザ(ネットを見るためのソフト)に表示されたウェブページです。IPAは、本物らしく見せる特徴として次の3つを挙げています。

電話に出るのは、オペレーターを名乗る人物です。IPAによると、指示どおりにキーを押させて遠隔操作ソフトを入れさせ、「サポートプラン」の名目で数万円〜10万円程度を求めます。コンビニでプリペイドカードを買わせ、コードを伝えさせる例もあります。

表示される番号は、2023年8月ごろから国内の050番号ではなく、北米への国際電話の番号に変わりました。

本物かどうかの見分けは、1つの事実で足ります。Microsoftは、自社のエラーや警告のメッセージに電話番号を載せることはないと説明しています。依頼がない限り電話でサポートすることはなく、ギフトカードや暗号資産での支払いを求めることもありません。

画面の閉じ方

IPAが公開している「偽のセキュリティ警告画面の閉じ方」の手順です。パソコン向けの手順で、上から順に試します。

  1. Escキーを3秒ほど押し続ける。画面の右上に出た「×」を押して閉じます。「ページを移動しますか」と出たら「移動」を選びます。「×」が出ないときは、警告画面の中を1回クリックしてから、もう一度Escを長押しします。
  2. 閉じられなければ、再起動する。Ctrl・Alt・Deleteの3つのキーを同時に押し、右下の電源ボタンのアイコンから「再起動」を選びます。保存していないデータは失われることがあります。
  3. ブラウザを開き直したとき、「復元」は押さない。復元すると、同じ警告がもう一度出ます。

IPAのサイトには、閉じ方を練習できる体験サイトもあります。パソコン専用で、開始直後に音声が流れるので音量に気をつけてください。約2分で自動的に終わります。

⚠ 例外もあります。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」によると、2024年6月には、ブラウザを閉じても直らない「操作不能の偽メッセージ」の被害が確認されました。原因は、被害の前にブラウザから意図せず入れていたソフトとみられています。閉じても何度も出るときは、自分で操作を続けず、次の章の相談先に連絡してください。

電話してしまった時の対処

電話をかけたら、まず切ります。IPAは、電話してしまった場合でも遠隔操作はさせないよう呼びかけています。その後の対処は、どこまで進んだかで変わります。

状況別の対処(IPA・国民生活センター・Microsoftの案内をもとに作成)
どこまで進んだか最初にすることそのあと
画面が出ただけ上の手順で画面を閉じる表示された番号には電話しない
電話をかけた指示に従わずに電話を切る言われたソフトやアプリを入れない。料金を払わない
遠隔操作を許した入れさせられた遠隔操作ソフトをアンインストールする「システムの復元」か初期化を検討する。Windowsセキュリティでフルスキャンし、パスワードを変える
お金を払ったクレジットカードなら、カード会社に連絡して異議を申し立てる消費者ホットライン188か、警察相談専用電話#9110に相談する
送金された銀行へすぐ連絡する警察に相談し、ネットバンキングのパスワードを変える

国民生活センターの相談事例には、遠隔操作の途中でネットバンキングのパスワードを聞かれ、答えてしまった80歳代の男性の例があります。1日の送金上限を50万円にしていたのに遠隔操作で外され、約200万円が不正に送金されました。IPAは、遠隔操作された状態でネットバンキングの画面を開かないよう注意しています。

自分で判断がつかないときは、周りの人に相談してください。国民生活センターの資料には、家族の一言で被害を未然に防げた例が載っています。パソコンの技術的な相談は、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口でも受け付けています(受付の方法はIPAのサイトで確かめてください)。

出会う前にできる予防

Windowsのパソコンなら、まずMicrosoft Edgeの「スケアウェア ブロッカー」を確かめてください。全画面の偽警告などを機械学習で検出すると、全画面を解除して音声を止め、「続行」か「ページを閉じる」を選ばせる機能です。解析は端末の中で行われ、画面の画像をクラウドに送ることはありません。

この機能が初めからオンになるのは、メモリ(RAM)が2GBを超え、CPUのコアが5つ以上の端末です。それより小さい端末では、Edgeの設定の「プライバシー、検索、サービス」→「セキュリティ」から自分でオンにします。

IPAが挙げる対策からは、次の3つが家ですぐできます。

危険なサイトのブロック機能があるソフト

ここまでの閉じ方と予防は、ソフトを買わなくてもできます。そのうえでIPAの「10大脅威 2025」は、セキュリティソフトのアクセスブロック機能で危険なサイトを防ぐことを、対策の1つに挙げています。偽警告の入口になるサイトを、開く前に止めるという考え方です。

ただし、2つのソフトのメーカーの説明は「詐欺サイトや危険なサイトのブロック」です。偽警告の画面だけを対象にした機能ではなく、入れれば防げるものでもありません。閉じ方の知識と組み合わせて使います。

Windowsには標準でMicrosoft Defenderが入っています。Microsoftの案内では、互換性のある他社のウイルス対策ソフトを入れると、Defenderは自動でオフになります。価格は台数・年数や時期で変わるので、リンク先の公式ストアで確かめてください。

ウイルスバスター クラウド(トレンドマイクロ公式ストア)。公式の機能一覧に「詐欺/危険サイトをブロック」があり、個人情報やお金を狙うフィッシングサイトや、不正なアプリをダウンロードさせるサイトへのアクセスを止めます。Windows・Mac・Android・iPhone/iPad・Chromebookに対応し、3台まで使える1年版があります。
向いている人:家族のパソコンとスマホをまとめて守りたい人。向かない人:Edgeの標準機能で足りると考える人や、自動更新を避けたい人。
注意:自動更新を選ぶと、更新時に登録したカードから自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
公式ストア:ウイルスバスターのご購入はこちら

ESET HOME セキュリティ エッセンシャル(キヤノンITソリューションズ)。Windows・macOS・Android・iOSに対応し、フィッシング対策・決済保護・迷惑メール対策が入っています。対応する機能はOSごとに違います。1台3年の版があります。
向いている人:守る端末を1台に絞り、数年分をまとめて用意したい人。向かない人:台数の多い家庭で、1台ずつ買うのが手間な人。
注意:自動更新の有無は購入前に公式ストアで確認してください。自動更新の場合、更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
公式ストア:AI時代のネット詐欺からあなたと家族を守るセキュリティソフト

よくある疑問

画面が出ただけで、ウイルスに感染しましたか?
感染していません。IPAは、画面が表示されただけならウイルスには感染していないと説明しています。例外は、閉じても何度も出る「操作不能の偽メッセージ」です。この場合は、前に意図せず入れたソフトが原因とみられるため、相談窓口に連絡してください。
画面の番号は、マイクロソフトの窓口ではないのですか?
窓口ではありません。Microsoftは、エラーや警告のメッセージに電話番号を載せることはないと説明しています。国民生活センターも、日本マイクロソフトやその関係者が警告を出して電話をかけさせることはないとしています。
電話をかけただけで、料金はかかりますか?
かかる可能性があります。IPAによると、2023年8月ごろから表示される番号は北米への国際電話に変わっており、国際通話料金が発生することがあります。
家族が電話してしまったと言っています。何から聞けばいいですか?
「遠隔操作のソフトを入れたか」「お金を払ったか」「ネットバンキングを開いたか」の3つを確かめてください。答えに応じて、上の表の順で対処します。お金が絡んでいれば、消費者ホットライン188に電話すると、近くの消費生活相談窓口につながります。

まとめ

偽警告は、閉じられない画面と鳴り続ける音で慌てさせ、電話をかけさせる手口です。画面が出ただけなら感染しておらず、番号にかけなければ話は先へ進みません。

今日のうちに、IPAの体験サイトで閉じ方を一度練習し、Edgeのスケアウェア ブロッカーがオンになっているかを確かめてみてください。親のパソコンも同じように確かめ、「画面の番号には電話しない」と伝えておいてください。

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