冬に手荒れしやすいのはなぜ?乾いた空気とお湯・洗剤の影響、今週からできる対策
※この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。リンク先の楽天市場で購入されると、紹介料が入ることがあります。
冬に手が荒れやすいのは、乾いた空気・お湯・洗剤の3つが同じ季節に重なるからです。どれも、手の表面で水分を抱えている仕組みを少しずつ弱めます。
夏と同じように洗い物をしていても、冬は失った水分が戻りにくくなります。空気がどれだけ乾いているのか、洗い物で手に何が起きているのかを数字で見ていくと、手袋や保湿をどう使えばいいかも見えてきます。
冬の空気は、夏の約6分の1しか水を含まない
まず、空気の乾き方を数字で確かめます。気象庁が公開している東京の平年値(1991〜2020年の平均)を見ると、湿度の差がはっきり出ます。
| 冬の月 | 平均相対湿度 | 夏の月 | 平均相対湿度 |
|---|---|---|---|
| 12月 | 56% | 6月 | 75% |
| 1月 | 51% | 7月 | 76% |
| 2月 | 52% | 8月 | 74% |
相対湿度だけを比べると、1月と8月の差は23ポイントです。ところが、空気中の水蒸気の量の目安になる「蒸気圧」で比べると、1月は4.5 hPa、8月は26.2 hPaです。平均気温は1月が5.4℃、8月が26.9℃。冬の空気が含む水は、夏のおよそ6分の1しかありません(蒸気圧の比は筆者の計算)。
相対湿度は「その温度で含める水の量に対して何%か」を表す数字です。冷たい空気はもともと水を少ししか含めないので、湿度50%台でも実際の水の量はとても少なくなります。乾いた空気に手をさらしていると、肌の表面から水分が逃げやすくなるのはこのためです。
手のうるおいを守る3つのしくみ
花王のスキンケア解説によると、皮膚のいちばん外側にある角層には、うるおった状態でおよそ20〜30%の水分があります。この水分を保っているのが、次の3つです。
| 要素 | ある場所 | 役割 |
|---|---|---|
| 皮脂膜 | 肌の表面 | 皮脂と汗が混ざった膜。水分が蒸発するのを防ぐ |
| NMF(天然保湿因子) | 角層の細胞の中 | ケラチンとともに水分を抱える |
| 細胞間脂質 | 細胞と細胞の隙間 | 水分の蒸発を抑え、外からの刺激を防ぐ |
細胞間脂質は、花王の技術解説ではセラミドが約50%を占め、脂肪酸が20%、コレステロールが15%と続きます。これらが層状に重なり、層のあいだに水を挟み込んで保っています。
手は、この守りがもともと薄い場所です。パナソニックの発表で紹介された皮膚科医の見解では、手は皮脂を出す皮脂腺が少なく、皮膚も薄いとされています。冬は乾燥に加えて血行も落ちるため、守る力がさらに弱まります。
洗い物のたびに、手で起きていること
3つのしくみを弱めるのが、毎日の水仕事です。日本皮膚科学会などがまとめた手湿疹の診療ガイドライン(2018年)は、物理的・化学的な刺激が直接皮膚を傷つけて起きるタイプが、手湿疹の約7割を占めると書いています。水に長く触れることや、洗剤に触れることが、その刺激にあたります。
同じガイドラインには、乾燥やひび割れが目立つタイプは冬に悪化することが多い、という記述もあります。指先が乾いて指紋が見えにくくなるタイプは、水仕事の多い人によくみられるそうです。
お湯の温度も関わります。先ほどの皮膚科医の見解では、高めの温度のお湯は、皮脂やセラミドを溶かし出してしまいます。冬は水が冷たいので、お湯を使いたくなるのが自然です。
実際、パナソニックが食器を手洗いしている20〜69歳の400人に聞いた調査(2025年12月)では、洗い物で毎回お湯を使う人が52.7%でした。お湯の平均温度は37.5℃です。冬に手の乾燥を「ほぼ毎日」感じる人は47.9%で、「週に数回」と合わせると約7割になります。
つまり冬の洗い物は「乾いた空気で水分が逃げやすい手」を「皮脂を落としやすいお湯と洗剤」に浸す作業です。荒れやすいのは、仕組みから見て当然と言えます。
今週からできる5つの工夫
原因が分かれば、対策は「お湯と洗剤に触れる量を減らす」「失ったものを補う」の2つにまとまります。具体的には次の5つです。
- お湯はぬるめにする。熱いお湯ほど皮脂が落ちます。パナソニックの発表に載った皮膚科医は、33〜35℃程度のぬるま湯をすすめています(公的な資料に推奨温度は見当たりませんでした)。
- 洗剤は薄めて使う。皮膚科医の見解では、洗剤も薄めて使うよう勧められています。
- ゴム手袋をはめる。ガイドラインは、水仕事のときに保護手袋を使うことを「考慮してよい」としています。手袋なしの水仕事は、皮膚の刺激反応の大きな原因になるためです。
- 洗ったあとは水分をやさしく拭き取る。皮膚科医の見解として、作業のあとは水分をやさしく拭き取ることが挙げられています。
- 拭いたらハンドクリームで補う。作業後に油分と水分を補うのが、皮膚科医の見解として紹介されている順番です。
パナソニックの調査では、ゴム手袋を使っている人は13.5%、何もしていない人は28.0%でした。5つのうち、まず手袋と拭き取りから始めるだけでも、お湯と洗剤に触れる時間はかなり減らせます。
ゴム手袋は「はめっぱなし」にしない
手袋はいいことばかりではありません。同じガイドラインは、手袋をはめること自体が刺激になる場合があると注意しています。洗剤を頻繁に使い、手袋を長時間はめ続けると、かえって皮膚の守りを傷めるとされています。
そのためガイドラインは、長時間使うときは手袋の下に綿の手袋を着けること、手袋をはめる時間はなるべく短くすることを勧めています。家事用には、ゴム製かポリ塩化ビニル製の家事用手袋を使うよう書かれています。
素材が合わない人がいる点にも気をつけます。ゴム手袋は製造の途中で加硫促進剤などの薬剤が使われ、これが肌に合わない原因になることがあります。天然ゴム(ラテックス)の手袋で、じんましんが出る人もいます。手袋をはめてかゆみや赤みが出るなら、素材を変えるか、皮膚科で相談してください。
道具をそろえるなら
ここまでの話から、洗い物の手を守る道具を3つ選びました。価格は2026年10月時点の楽天市場の表示です。
ゴム手袋:オカモト マリーゴールド ハピネス(3〜6双セット) 約1,380円。天然ゴム製で、内側は綿の植毛。全長は約33.5cmで、S・M・Lから選べます。商品ページでは、ビニール手袋より熱や引き裂きに強い中厚手と説明されています。
向いている人:食器洗いや掃除で長めに水を使う人。向かない人:天然ゴムで肌に異常が出たことがある人(素材がラテックスです)。
インナー手袋:綿フィット手袋 薄手(日本製) 約1,000円。薄手の綿の手袋で、インナーとしての使い方が商品ページに挙がっています。洗濯もできます。ゴム手袋の下に着けると、ガイドラインの「長時間なら綿の手袋を下に」に沿った使い方になります。
向かない人:数分で終わる短い洗い物だけの人。
ハンドクリーム:てんまん ハンドクリーム 80g(無香料・ジャー) 約2,500円。化粧品の区分で、商品ページに全成分が載っています。台所に置いて、洗い物のあとに使う据え置き用に向いたジャー型です。
注意:全成分にメチルパラベンとプロピルパラベンが含まれます。特定の成分を避けたい人は、購入前に成分表示を確認してください。
ハンドクリームについては、ガイドラインも「効果を確かめた十分な証拠はないが、使うことは十分に考えてよい」という書き方です。クリームだけに頼らず、お湯の温度や手袋と組み合わせて使ってください。
よくある疑問
- ゴム手袋は一日中着けたままでも大丈夫ですか?
- おすすめできません。長時間はめ続けると、かえって皮膚の守りを傷めることがあります。ガイドラインは、はめる時間を最小限にし、長く使うときは綿の手袋を下に着けるよう勧めています。
- 洗い物のお湯は何℃が目安ですか?
- 熱いお湯ほど皮脂が落ちるので、ぬるめが基本です。パナソニックの発表に載った皮膚科医は33〜35℃程度をすすめています。調査での平均は37.5℃だったので、いつもより少し下げる意識で十分です。
- 手荒れがなかなか治らないときは?
- 長引く、ひび割れが深い、水ぶくれや強いかゆみがある場合は、家庭の工夫で済ませずに皮膚科で相談してください。
まとめ
冬の手荒れは、水を約6分の1しか含まない冬の空気と、皮脂やセラミドを落とすお湯・洗剤が重なって起きます。手はもともと皮脂腺が少なく、守りの薄い場所です。
今夜の洗い物から、お湯を少しぬるめにして、ゴム手袋をはめてみてください。洗い終えたら水分を拭き取り、ハンドクリームを塗る。長く洗い物をする日は、ゴム手袋の下に綿の手袋を1枚重ねてください。
参考にした資料