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お風呂で指はなぜしわしわ?神経が起こす反応

2026年7月 · 読了3分
お風呂で指はなぜしわしわ?神経が起こす反応

お風呂で指がしわしわになるのは、皮膚が水を吸ってふやけたからではありません。水につかると自律神経が働いて指先の血管が細くなり、皮膚が内側へ引っぱられます。

神経を痛めた指ではしわができないことも、1936年の観察でわかっています。よく聞く「すべり止めのため」という説のほうは、まだ決着がついていません。

ふやけているだけではない

水を吸って膨らんだのなら、しわはでたらめな向きにできるはずです。ところが実際の指先には、決まった向きの盛り上がりと溝が並びます。

しかも、しわができるのは指・手のひら・足の裏など、毛の生えていない皮膚だけです。同じように湯につかっていても、腕や背中はしわになりません。

この選ばれ方こそ、水がしみこんだだけでは説明できない最初の手がかりでした。

血管が縮んで皮膚が引っぱられる

正体は皮膚の下の血管です。手足を長く水につけると、自分の意思とは関係なく体を調整する自律神経が働き、血管が細くなります。

これを血管収縮といいます。血管が縮むとその分だけ内側の体積が減り、上にある皮膚が下へ引き込まれて、盛り上がりと溝ができます。

2025年にアメリカのビンガムトン大学が発表した研究も、しわの原因は水による膨張ではなく血管の収縮だと確認しています。

神経が切れた指はしわにならない

この説明を支えているのが、神経を痛めた人の指です。1936年、ルイスとピカリングという研究者が、正中神経を損傷した患者の指はどれだけ水につけてもつるつるのままだと報告しました。

皮膚も水も条件は同じで、違うのは神経だけ。しわが皮膚の性質ではなく神経の働きで起きている証拠です。

現在この現象は「しわ試験」と呼ばれ、ぬるま湯に10〜40分ほど指をつけて、手の神経が働いているかを調べる簡単な検査に使われています。

しわの形は毎回同じ

2025年、ビンガムトン大学のガイ・ジャーマン氏らは、同じ人の指を30分間水につけてしわを写真に撮り、24時間以上あけてもう一度同じことをしました。すると、盛り上がりと溝の並び方はほぼそのまま再現されました。

血管の位置が日によってほとんど動かないため、同じ模様が繰り返し現れるのです。この研究には指の神経を痛めた学生も参加しましたが、その指にはしわがまったくできませんでした。

同じ模様が出るという性質は、水中で見つかった遺体の身元確認や指紋の照合に役立つと期待されています。

すべり止め説は決着していない

濡れた物をつかむための溝だ、という説明は有名ですが、実験の結果は割れています。2013年に発表された研究では、水に沈めた物を移す作業を、しわのある指のほうが速く終えられました。

ところが2014年に40人を対象として行われた別の研究では、差が出ないどころか、しわのある指のほうが遅くなる場合もありました。すべり止め説は有力な仮説であって、証明された事実ではありません。

次にお風呂で指がしわしわになったら、水がしみこんだ跡ではなく、神経が血管を締めた結果だと思い出してみてください。研究では、40度のお湯に30分ほど手をつけてしっかりしたしわを作ります。

そのとき指先を写真に撮っておけば、次に入ったときに同じ模様が出るかどうかを自分で確かめられます。

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