ビッグ・ベンは時計台の名前じゃない?本当の意味
ロンドンの時計台をビッグ・ベンと呼ぶのは、正確ではありません。ビッグ・ベンはもともと、塔の中に吊るされた重さ13.7トンの鐘につけられた愛称です。
塔そのものの正式な名前は、2012年からエリザベス・タワーになりました。それ以前の呼び名も、多くの人が思っているものとは違います。
ビッグ・ベンは鐘の愛称
多くの人が時計台をビッグ・ベンと呼びますが、ビッグ・ベンとは塔の中にある大きな鐘の愛称です。重さは13.7トン。
1859年7月11日に、初めてロンドンの街に鳴り響きました。建物ではなく、音を鳴らす側の名前でした。
塔の名前は2012年に変わった
塔の正式名称は、長いあいだ「クロック・タワー」、つまり時計塔でした。2012年6月2日に下院が改名を可決し、同年9月12日にエリザベス・タワーへの改称が発表されます。
エリザベス2世の即位60年、ダイヤモンド・ジュビリーを記念したものです。同じ建物の反対側の端には、ヴィクトリア女王を記念して名づけられたヴィクトリア・タワーが立っており、その前例にならった形でした。塔の高さは96メートルあります。
「セント・スティーブンズ・タワー」は俗説
時計塔の古い名前としてセント・スティーブンズ・タワーが挙げられることがありますが、これは正式名称ではありません。19世紀の新聞記者が使った通称です。
当時、下院議員はセント・スティーブンズ・ホールに集まっており、議会のニュースは「セント・スティーブンズからの知らせ」と呼ばれていました。その言い方が、そのまま時計塔の名前として広まったのです。
実際のセント・スティーブンズ・タワーは、一般の入口の上に立つ別の塔を指します。
名前の由来は決着していない
ビッグ・ベンという愛称が誰にちなむのかは、はっきりしていません。有力なのは、当時の工事局を率いていたベンジャミン・ホールにちなむという説です。
鐘には彼の名前が刻まれており、1856年10月22日のタイムズ紙も、ホールにちなんでこの鐘をビッグ・ベンと呼ぶ案が出ていると報じました。もう一つが、ビッグ・ベンの異名を持つ拳闘家ベン・カントにちなむという説です。
どちらの説も決定的な証拠は見つかっておらず、由来は今も俗説の域を出ません。
鐘には今もひびが入っている
ビッグ・ベンは、傷ついたまま鳴り続けている鐘です。1856年に造られた最初の鐘は、試験中に割れてしまいました。
1858年4月10日にホワイトチャペル鐘鋳造所で鋳直され、翌年から使われます。ところが1859年9月、この2代目にもひびが入りました。
原因は、指定された重さの2倍を超えるハンマーで打っていたことだとされています。修理では、ひびの周りを削り取り、鐘を回して打つ場所をずらしました。
ひびは今も埋められていません。私たちが聞いているのは、その割れた鐘の音です。
次にニュース映像であの音を聞いたら、映っている塔ではなく、中で鳴っている鐘のほうを思い浮かべてみてください。ビッグ・ベンと呼んでいいのは、そちらだけです。
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