雑学

災害用伝言ダイヤルは、なぜ「171」なのか

2026年7月 · 読了3分
災害用伝言ダイヤルは、なぜ「171」なのか

大きな災害のあとに「災害用伝言ダイヤル171が使えます」というお知らせを見たことがある方は多いと思います。電話がつながりにくいときに、家族の安否を伝えるための仕組みです。ではなぜ、この番号は171という三桁なのでしょうか。調べてみると、語呂合わせの話よりも先に、番号そのものの制度が関わっていました。

171はどんなサービスなのか

災害用伝言ダイヤル171は、NTT東日本・NTT西日本が提供している、いわば声の伝言板です。NTT東日本の説明によれば、地震などの災害で被災地への通信が集中し、電話がつながりにくい状況になったときに提供が始まります。いつでもかけられるサービスではなく、必要なときに開設されるものです。

仕組みはシンプルで、被災地の人の電話番号を住所がわりにして、そこへ音声の伝言を預けたり、預けられた伝言を聞いたりします。伝言は1件あたり30秒までで、ひとつの番号に蓄積できる件数は1件から20件の範囲で、災害の状況に応じて決まります。固定電話だけでなく、携帯電話やIP電話の番号も対象です。

三桁の番号は、勝手には決められない

171のような三桁の番号は1XY番号と呼ばれ、総務省の電気通信番号制度のもとで管理されています。緊急性や公共性が高い用途、そしてすぐに認識できる必要がある用途などに限って割り当てられる、特別な枠です。

110番や119番、天気予報の177番も同じ1XY番号の仲間です。総務省が公開している一覧にも、171は災害用の番号として載っています。ここから分かるのは、171が「覚えやすい三桁であること」を前提に設計された番号だということです。緊急時に調べなくてもそのままかけられる短さに、意味があります。

「いない」の語呂は、公式の説明ではありません

171の由来としてよく紹介されるのが、「い(1)な(7)い(1)」という語呂合わせです。安否の分からない人がいる、という状況と結びつけて覚えやすく、防災の講習などでも耳にします。

ただ、この由来をNTT東日本やNTT西日本の公式ページで探してみると、番号の意味を説明した記述は見つかりませんでした。総務省の資料にも書かれていません。つまり「171はいないの語呂で決まった」と断定できる公的な根拠は、確認できませんでした。覚えるための工夫として広まった言い方、と受け取っておくのが正確です。番号を思い出すきっかけとしては役に立ちますが、由来として人に説明するときは、そこまでは確かめられていないと添えておくと親切です。

使い方は「1で録音、2で再生」

操作はとても簡単です。まず171にダイヤルすると、音声のガイダンスが流れます。伝言を録音したいときは1を、伝言を聞きたいときは2を押します。そのあとに、被災地にいる人の電話番号を市外局番から入力すると、録音や再生に進みます。暗証番号を使う場合は、録音が3、再生が4です。家族どうしで「連絡は父の携帯の番号に集める」と決めておくと、当日迷わずに済みます。なお、文字で伝言を残せる災害用伝言板(web171)も用意されています。

毎月1日と15日は、練習ができます

171には体験利用の日が設けられています。NTT東日本の案内によれば、毎月1日と15日の0時から24時まで、正月三が日の1月1日0時から1月3日24時まで、防災週間の8月30日9時から9月5日17時まで、そして防災とボランティア週間の1月15日9時から1月21日17時までです。

災害用伝言ダイヤルは、知っているだけでは使えません。ガイダンスを最後まで聞く落ち着きと、市外局番から番号を入れる一手間は、一度やってみないと体が動かないものです。次の1日か15日に、家族で一回だけ録音と再生を試してみてください。三桁の番号を覚えることと、その番号で実際に声を残せることの間には、意外と距離があります。

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