科学

光は1秒で地球7周半?光の速さの話

2026年7月 · 読了3分
光は1秒で地球7周半?光の速さの話

光は1秒間に約30万キロメートル進みます。地球1周が約4万キロですから、1秒で7周半。

この「7周半」は比喩ではなく、計算するとほぼぴったり合う数字です。しかも光の速さは、測って求めた値ではありません。人間が決めた値です。

1秒で地球7周半は本当

真空中の光の速さは、毎秒2億9979万2458メートル。約30万キロメートルです。

地球の赤道1周は約4万75キロなので、割り算すると7.48周。「1秒で地球7周半」はほぼ正確な表現です。

光速は測定値ではなく定義値

意外に思われるかもしれませんが、光の速さに測定誤差はありません。1983年、国際度量衡総会が1メートルを「光が真空中で2億9979万2458分の1秒間に進む距離」と定義したからです。

それ以前のメートルは、金属の原器や、クリプトン86という原子が出す光の波長を基準にしていました。今は順序が逆で、光速を固定した数値として先に決め、そこから1メートルの長さを導いています。

この考え方は現在の国際単位系(SI)にも引き継がれています。

速さに気づいたのは1676年

かつて光は、どこへでも瞬間的に届くと考えられていました。これを覆したのがデンマークの天文学者オーレ・レーマーです。

木星の衛星イオが木星の影に入る時刻が、地球と木星の距離によってずれることに気づきました。1676年9月、レーマーは11月9日の食が予報より約10分遅れると予言し、それが的中します。

光が地球の公転軌道の直径を横切るのに約22分かかる、というのが彼の結論でした。今の値より長めですが、光に速さがあることを初めて示した観測です。

「これより速いものはない」の条件

物や情報を、真空中の光より速く運ぶことはできません。これはアインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論の柱です。

物体は速くなるほど加速しにくくなり、光速に達するには無限のエネルギーが必要になる、という理屈です。実際、加速器で素粒子を光速の99パーセント以上まで加速した例はありますが、超えた例はありません。

ただし大事なのは「真空中の」という条件です。物質の中では光は遅くなります。

水の中では秒速約22万5000キロ、ガラスの中では約20万キロ、ダイヤモンドの中では約12万5000キロまで落ちます。ストローが水の中で折れて見えるのは、この速度差が原因です。

上限なのはあくまで真空中の光速であって、光そのものが常に最速というわけではありません。

距離を測るものさしになる

速さが一定なら、距離を時間で言い換えられます。月までは平均38万4400キロなので、光ならおよそ1.3秒。

太陽から地球までは約1億5000万キロ、光でおよそ8分20秒の距離です。今見えている太陽は、8分前の姿ということになります。

NASAは光年を「光が1年間に進む距離」と説明し、およそ9兆キロメートルとしています。星空を見上げるとき、私たちは何年も前に出発した光を受け取っているのです。

光の速さは、宇宙をはかるものさしそのものです。次に星を見上げたら、その光がいつ出発したのかを想像してみてください。

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