ビーチの砂を持ち帰ると罰金?イタリアのルール
イタリアのサルデーニャ島では、浜辺の砂を持ち帰ると500ユーロから3000ユーロの罰金がかかります。2017年7月28日に成立した州法16号で決まったルールです。
対象は砂だけでなく、小石や貝殻も含まれます。旅の記念にひとつまみ、のつもりでも取り締まりの対象になります。
罰金は500〜3000ユーロ
サルデーニャ州法16号の第40条は、海岸や海から出た砂・小石・石・貝殻を「持ち出す」「所持する」「売る」ことを禁じています。少量でも対象で、罰金は500ユーロから3000ユーロです。
取り締まるのは州の森林警備隊(コルポ・フォレスターレ)と、海岸を管轄する市町村です。禁止されているのは許可や使用権のない持ち出しなので、工事などで正式な許可を得た場合は除かれます。
つまり例外がないわけではなく、観光客が勝手に持ち帰る行為が禁じられている、というのが正しい理解です。
2年で4トンが空港で押収された
実際にどれくらい持ち出されているのか。地元紙ウニオーネ・サルダの2026年6月の報道によると、オルビア空港だけで2年間に約4トンの砂・小石・貝殻が押収されました。
2020年にはエルマス空港で、荷物から2キロの砂が見つかったフランス人旅行者に1000ユーロの罰金が科されています。2019年8月には、車に40キロもの砂を積んだフランス人夫婦が摘発されました。ひとつまみどころではない量です。
押収された砂は捨てられるわけではありません。「テイク・ミー・バック・トゥ・ザ・シー」という取り組みで、どの浜の砂かを地質から調べ、合う場所に戻されています。
タヴォラーラ島の入り江に返された例もあります。ただ、混ざってしまった砂を元の一粒に戻すことはできません。
担当者は「悪気なく持ち帰り、自分が損害を与えたと気づいていない人が多い」と話しています。
砂は数年では戻らない
なぜここまで厳しいのか。州の説明はシンプルです。
浜辺の砂ができるには途方もない年月がかかる一方、失われるのは一瞬だから。一人あたりはひとつまみでも、訪れる人数を掛ければ年間で相当な量になります。
オルビア空港の2年で4トンという数字が、その積み重ねの結果です。しかも砂は工場で作れません。だから「少しだけなら」が通用しないのです。
立ち入り禁止になったピンクの浜
実際に浜が閉ざされた例があります。サルデーニャ島北部、ラ・マッダレーナ諸島国立公園にあるブデッリ島の「スピアッジャ・ロッサ(ピンクの浜)」です。
砂がピンク色なのは、珊瑚や貝、花崗岩のかけらが砕けて混ざっているから。この珍しい砂が土産として持ち去られ続けた結果、1990年代に立ち入りが禁止されました。
今は最も保護レベルの高い区域に指定され、上陸も遊泳もできません。岸から約70メートル沖にブイが張られ、監視カメラも置かれています。
島は2016年に国が買い取り、国立公園が管理しています。
サルデーニャの浜を訪れるなら、砂は写真とサンダルの裏だけにとどめてください。帰りの空港で荷物を開けられ、記念品が罰金に変わる旅にはしたくないはずです。
参考にした資料