液状化はなぜ起きるのか 地面が液体のようになる仕組み
大きな地震のあと、道路から泥水がわき出し、マンホールが地面から突き出している。液状化と呼ばれる現象です。名前だけ聞くと地面が溶けたようですが、起きているのは砂と地下水の力関係が入れ替わることです。仕組みがわかると、なぜ起きる土地と起きない土地があるのかも見えてきます。
砂粒が支え合いをやめる
砂でできた地盤は、砂の粒子がたがいに接して支え合うことで、上にある建物の重さを受け止めています。そして粒子と粒子のすきまは、地下水で満たされています。ここに地震の揺れが繰り返し加わると、すきまの水の圧力が高くなり、砂の粒子どうしの結びつきがばらばらになります。国土交通省の説明では、土の粒子がばらばらになり、地盤全体がどろどろの液体のような状態になる現象、とされています。砂が水に浮いたような状態になるわけです。
起きやすいのは、条件が三つそろった場所
液状化が起きやすいのは、ゆるく積もった砂の地盤であること、そのすきまが地下水で満たされている、つまり地下水位が浅いこと、そして強い地震の揺れが加わること。この三つがそろった場所です。
東京都の資料では、同じ成分や同じ大きさの砂からできた土で起きやすいとも説明されています。逆にいえば、どれか一つでも欠ければ液状化は起こりにくくなります。そして地盤と地下水位は土地に固定された条件ですから、地震が来る前に調べておくことができます。
建物は沈み、マンホールは浮く
液状化した地盤は水のようにふるまい、重いものは沈み、軽いものは浮くという理屈が地面の中で起こります。水より比重の重い建物は沈んだり傾いたりし、水より軽い下水道のマンホールや浄化槽は、浮力で地面から押し出されてきます。道路が陥没したり波打ったりして、車も人も動けなくなることがあります。水道管が壊れて断水することもあります。同じ場所で再び液状化が起こる可能性もあります。
埋立地だけの話ではない
液状化というと海沿いの埋立地を思い浮かべる人が多いのですが、そこだけの問題ではありません。千葉県は、埋立地や河川沿いなど、砂地盤で地下水位が高い場所で懸念されると説明しています。国土地理院の土地条件図でも、盛土地や埋立地に加えて、旧河道が液状化のリスクの高い地形としてあげられています。旧河道とは、かつて川が流れていた跡地のことです。いまは住宅地になっていて、歩いてもわかりません。海から遠いから安心、という判断は成り立たないということです。
まず、自分の土地の成り立ちを知る
国土地理院は、地形を形態や成り立ち、性質から分類した土地条件図を公開しています。地形と災害には密接な関係があり、その土地がどうやってできたかを知ると、想定される被害の傾向が見えてきます。自治体が公表している液状化マップとあわせて確認しておくとよいでしょう。注意したいのは、これが建物の耐震性とは別の問題だという点です。建物自体が丈夫でも、地盤が傾いてしまえば住み続けるのは難しくなります。国土交通省は宅地耐震化推進事業として、自治体による調査と結果の公表、事前の宅地液状化防止工事を支援しています。
液状化は、地面が溶ける不思議な現象ではありません。砂と地下水という、もともとそこにあったものの関係が揺れによって変わるだけです。だからこそ、起きる場所はある程度あらかじめわかります。自分の家が建つ土地がどうやってできたのかを一度調べておく。それが、いちばん現実的な備えになります。
← 記事一覧へ戻る