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マグニチュードと震度、何がどう違うのか

2026年7月公開 · 2026年10月更新 · 読了7分
マグニチュードと震度、何がどう違うのか

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マグニチュードは地震そのものの規模で、1つの地震に1つだけです。震度はある場所での揺れの強さで、観測した場所の数だけあります。

ニュースの「マグニチュード7.0、最大震度6弱」は、まったく別の物差しを2つ並べた言い方です。この記事では2つを表で比べ、震度の物差しが日本でどう変わってきたか、外国とどう違うかも見ていきます。

電球の明るさと、部屋の明るさ

気象庁は、2つの関係を電球にたとえています。マグニチュードは電球そのものの明るさ、震度は電球から離れた場所の明るさです。電球が明るくても、遠くの部屋は暗くなります。同じように、マグニチュードが大きくても、震源から遠ければ震度は小さくなります。

マグニチュードと震度の違い(気象庁の資料をもとに作成)
比べる点マグニチュード震度
表すもの地震そのものの規模ある場所での揺れの強さ
1つの地震で1つだけ観測点の数だけある
決め方地震計の波形から計算する各地の震度計で測る
表し方小数のついた数字(M7.3など)震度0〜7の10階級
1つ違うとエネルギーが約32倍揺れの強さの階級が1つ変わる

つまり、マグニチュードは「地震の側」の数字で、震度は「自分の側」の数字です。速報を見るとき、自分の暮らしに直接かかわるのは震度のほうです。

マグニチュードは1違うとエネルギーが約32倍

気象庁によると、マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になります。2大きくなると約1,000倍です。

32を2回掛けると約1,000になる、という関係です。同じ関係から計算すると、0.2の差でもエネルギーは約2倍になります。M7.0とM7.2は数字が近く見えても、地震の規模としては2倍の開きがあります。

この関係から、小さな地震が何度も起きても、大きな地震のエネルギーが少しずつ抜けている訳ではないことも分かります。M7の地震1回分のエネルギーを出すには、M5の地震が約1,000回必要です。

震度は10階級、震度計で測る

いまの気象庁の震度階級は、0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7の10階級です。数字は0〜7の8種類ですが、5と6が弱と強に分かれるので10階級になります。

震度は、人が感じた揺れではなく震度計の記録から計算します。気象庁の計算方法では、揺れの記録から「計測震度」という小数つきの値を出し、それを階級に当てはめます。たとえば計測震度4.5以上5.0未満が震度5弱、6.5以上が震度7です。計算には、東西・南北・上下の3方向の揺れの記録を使います。揺れの周期による感じ方の違いを補正したうえで、強い揺れが合わせて0.3秒続いた大きさから値を求めます。一瞬だけの鋭い揺れでは、震度は大きくなりにくい仕組みです。長野地方気象台によると、震度の情報には全国約4,400カ所の震度計のデータが使われています。

この物差しは、日本で何度も作り直されてきました。

日本の震度階級の移り変わり(気象庁「関東大震災以降の地震津波業務の変遷」などをもとに作成)
年階級の数主な変化
1884年(明治17年)4階級約600カ所で、人の体感による観測を始める
1898年(明治31年)7階級(0〜6)階級を細かく分ける
1949年(昭和24年)8階級(0〜7)前年の福井地震をきっかけに震度7を加える
1996年(平成8年)10階級4月に震度計による観測へ切り替え、10月に5と6を弱・強に分ける

観測点の数も時代で大きく変わりました。1904年には、気象官署に民間への委託を合わせて1,437カ所から震度を集めていました。その後に整理が進み、1988年には全国158カ所の気象官署だけになっています。1996年の切り替えは、前年の阪神・淡路大震災がきっかけです。気象庁はこの年から、震度の観測点を約300カ所から600カ所以上に増やしました。それまで震度7は、地震の後の現地調査で決めていました。1996年からは、震度7も震度計で速報できるようになっています。

震度の物差しは国ごとに違います。気象庁によると、震度はその国の建物の壊れやすさなどで変わるため、国によって異なります。外国では、体感や被害をもとにした12階級の「改正メルカリ震度階」が主に使われています。同じ地震の揺れでも、日本の「震度5強」と外国の階級の数字は一致しません。

同じ地震でも、場所で震度が違う

気象庁の「震度階級関連解説表」は、使うときの注意として、揺れは地盤や地形に大きく影響されると書いています。震度は震度計が置かれた地点の値なので、同じ市町村でも場所によって震度が異なることがあります。

建物の中でも違います。同じ解説表によると、中高層の建物の上の階では、一般に地表より揺れが強くなります。速報の震度は近くの観測点の値で、自宅の床がその数字どおりに揺れたとは限りません。

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高層ビルの揺れには、震度とは別の物差しもあります。気象庁の「長周期地震動階級」は、ゆっくりとした周期の揺れが生じる高層ビルの中での、人の動きにくさや家具の被害の程度を4段階に分けたものです。対象は、固有周期が1.5秒程度から8秒程度までの一般的な高層ビルです。地上の震度が小さくても、高い階では大きく長く揺れる場合があり、震度とは分けて扱われます。

マグニチュードは1つの地震に1つでも、震度は震源からの距離と地盤、建物の階で変わります。1つの地震で「最大震度7」と「震度1」が同時に出ることも、珍しくありません。

巨大地震では、マグニチュードが後から変わる

マグニチュードにも種類があります。気象庁がふだん速報に使う「気象庁マグニチュード(Mj)」は、地震計の揺れの最大の幅から、すぐに求められます。約100年にわたって同じ方法で決められてきたので、昔の地震と比べやすいのも利点です。ただし、M8を超えるような巨大な地震では規模を正しく決められません。

そこで使うのが「モーメントマグニチュード(Mw)」です。断層の面積と、断層がずれた量の積に比例する量で、物理的な意味がはっきりしています。巨大な地震の規模も求められますが、地震の波形全体を解析するので、発生直後には出せません。

2011年の東北地方太平洋沖地震では、気象庁はマグニチュードを次のように更新しました。地震直後の速報値は7.9(Mj)でした。同じ日の16時に8.4(Mj)、17時30分に8.8(Mw)とし、2日後の3月13日に9.0(Mw)としています。

7.9と9.0の差は1.1です。エネルギーに直すと約45倍で、最初の速報は地震の規模をかなり小さく見積もっていたことになります。

地震がどうやって起き、なぜ日本でこれほど揺れるのかは、マグニチュードの数字だけでは見えてきません。プレートの動きから大地震や噴火の仕組みまでを通して知りたいなら、地学の入門書で一度たどってみると、速報の数字の意味がつかみやすくなります。

速報の数字の読み方

マグニチュードは地震の規模で、1違えばエネルギーは約32倍です。震度は自分のいる場所の揺れで、全国約4,400カ所の震度計で測られ、地盤や建物の階でも変わります。

そして巨大な地震では、マグニチュードの最初の数字が後から大きく変わることがあります。次に地震の速報を見たら、マグニチュードの種類と、自分の近くの観測点の震度を分けて読んでみてください。

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