科学

マグニチュードと震度、何がどう違うのか

2026年7月 · 読了3分
マグニチュードと震度、何がどう違うのか

地震のニュースでは「マグニチュード7.0、最大震度6弱」といった言い方をします。どちらも地震の大きさを表す数字に見えますが、意味はまったくの別物です。この二つを混同したままだと、速報で流れる数字を正しく読めません。気象庁の説明をもとに整理しておきます。

電球の明るさと、部屋の明るさ

気象庁は、この二つの関係を電球にたとえて説明しています。マグニチュードは電球そのものの明るさ、つまり地震そのものの規模を表します。いっぽう震度は、ある場所で実際にどれだけ明るいか、つまりその場所での揺れの強さを表します。ですから一つの地震について、マグニチュードは一つしかありません。震度のほうは、観測した場所の数だけ存在します。電球が明るくても離れた場所は暗いのと同じで、マグニチュードが大きくても震源から遠ければ震度は小さくなります。

マグニチュードが1違うと、エネルギーは32倍

マグニチュードの値が1大きくなると、地震のエネルギーは約32倍になります。2大きくなると約1000倍です。M8の地震一つで、M7の地震およそ32個分、M6の地震およそ1000個分に相当します。

つまりM7.0とM8.0は「1しか違わない」のではなく、桁違いの現象です。小さな地震がたくさん起きているからといって、大きな地震のぶんのエネルギーが少しずつ抜けている、ということにはなりません。

震度が10階級になったのは1996年から

現在の気象庁震度階級は、0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7の10階級です。数字だけ見ると8種類ですが、5と6が弱と強に分かれるので、階級としては10になります。「震度は8段階」と覚えている人もいますが、それは古い知識です。かつては震度計ではなく、気象台の職員が体に感じた揺れや周囲の様子から震度を判断していました。1996年4月に震度計による自動観測へ切り替わり、同じ年の10月に10階級へ細分化されています。それまで震度7だけは、地震のあとの現地調査で事後的に判定していましたが、このときから震度7も計測震度計で速報できるようになりました。

同じ市内でも震度が違う理由

震度は地盤や地形に大きく影響されます。気象庁も、同じ市町村や地域、集落であっても場所によって震度が異なる場合があると説明しています。隣町が6弱で自分の地域が5強、ということは珍しくありません。速報で流れる震度は、あくまで近くの観測点で計測された値です。自宅がそのとおりに揺れるとは限らない、という前提で受け取っておくほうが安全です。

巨大地震では、数字が後から変わる

気象庁が普段使うマグニチュード(気象庁マグニチュード)は、地震波の最大振幅から素早く計算できるという利点があります。ただし、M8を超えるような巨大な地震では規模を正しく決められません。そこで使われるのが、断層がずれ動いた面積や量から求めるモーメントマグニチュードです。ただし地震波形を詳しく分析する必要があるため、発生直後には出せません。2011年の東北地方太平洋沖地震では、速報値7.9から8.4、8.8を経て、最終的に9.0へと更新されました。最初の数字が小さいからといって、規模が小さいと決めつけないことです。

マグニチュードは地震そのものの規模で、一つの地震に一つだけ。震度は自分がいる場所の揺れで、場所ごとに変わる。この違いさえ押さえておけば、速報の数字にむやみに振り回されずにすみます。

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