日本はなぜ地震が多いのか 4枚のプレートが出会う場所
日本で暮らしていると、地震はめずらしい出来事ではありません。数年に一度は大きな揺れを経験し、小さな揺れなら毎月のように起きています。なぜ、この島国だけがこれほど揺れるのでしょうか。答えは、日本列島が立っている場所そのものにあります。
世界の地震のおよそ1割が日本のまわりで起きている
気象庁は、日本およびその周辺では、世界で起こっている地震のほぼ10分の1にあたる数の地震が発生していると説明しています。地球全体の陸地に占める日本の面積はごくわずかですから、地震の密度は際立って高いことになります。これは日本人の運が悪いという話ではなく、地球の表面がどんな構造をしているかで説明のつく現象です。
4枚のプレートが出会う、世界でもまれな場所
地球の表面は十数枚のプレートと呼ばれる硬い岩の板におおわれています。日本列島の付近では、そのうち太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートという4枚が接しています。
プレートどうしの境目は、地球上でもとくに地震が集中する場所です。ふつうの国なら、その境目が1本通っているだけで地震国と呼ばれます。ところが日本は、複数の境目が集まる交差点のような位置にあります。しかも、そこにあるプレートは止まっていません。気象庁の資料によれば、太平洋プレートは1年に約8センチ、フィリピン海プレートも1年あたり数センチの速さで動き続けています。爪が伸びる速さとほとんど変わらない、目には見えない動きです。それでも百年たてば数メートルになります。
沈み込んでたまったひずみが、跳ね返るときに地震になる
海のプレートは陸のプレートより重いため、ぶつかったときに下へもぐり込みます。このもぐり込む場所が海溝です。気象庁によると、房総沖から青森県東方沖にかけての海溝が日本海溝、十勝沖から択捉島沖およびそれより東が千島海溝と呼ばれています。海のプレートが沈み込むとき、陸のプレートの先端は一緒に引きずり込まれ、少しずつ曲げられていきます。しかし岩盤には耐えられる限界があります。ついに耐えきれなくなった陸のプレートが元の形に戻ろうと跳ね上がる、その瞬間に大きなエネルギーが放たれる。これがプレート境界で起きる地震です。長い時間をかけてためた力を、数十秒で吐き出していることになります。
内陸の浅い地震も、もとをたどれば同じ力
地震はプレートの境目だけで起きるわけではありません。気象庁は、沈み込むプレートの内部で起きる地震と、陸のプレートの浅いところで起きる地震も区別して説明しています。内陸の浅い地震は、規模のわりに震源が生活する場所の近くにあるため、真上の地域が強く揺れることがあります。ただ、これらもプレートと無関係の現象ではありません。四方から押され続ける力が列島の内部にたまり、弱いところで岩盤がずれる。日本のどこにいても地震と縁が切れないのは、このためです。
プレートの動きを人の手で止めることはできませんし、いつどこで揺れるかを前もって言い当てる技術も、今のところありません。できるのは、起きる前の準備だけです。総務省消防庁は、揺れを感じたらまず丈夫な机やテーブルなどの下に身を隠し、座ぶとんなどがあれば頭を守ることを最初の行動として挙げています。大きな揺れは1分ほどでおさまるので、まわりの状況を確かめ、あわてて外へ飛び出さないことも大切だとしています。家具を固定する、寝る場所の頭上に重いものを置かない。地面の下で起きていることを知ったうえで手を動かせば、その一つひとつが確かな備えになります。
参考にした資料