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昆虫が未来の食料として注目されているって本当か

2026年7月 · 読了3分
昆虫が未来の食料として注目されているって本当か

昆虫が未来の食料として注目されているのは本当です。国連食糧農業機関(FAO)が2013年に食用昆虫の報告書を公表してから、世界的な議論が始まりました。

たんぱく質が豊富で、牛や豚より少ない餌と場所で育つことが理由です。ただし、明日から主食になるという話ではありません。

きっかけは2013年のFAO報告書

話題の出発点は、FAOが2013年5月に出した報告書「Edible insects」です。報告書は、世界で約20億人がすでに昆虫を食事に取り入れていること、100万種ほど知られる昆虫のうち1900種が食用として記録されていることを示しました。

背景にあるのは人口の増加です。FAOは2050年に世界人口が90億人へ達すると見こみ、限られた土地と水で必要なたんぱく質をまかなう方法を探しています。

報告書は人が食べる話だけでなく、家畜や養殖魚の餌としての可能性も同じ重さで扱っています。

牛の6分の1の餌で育つ

同じ量のたんぱく質を作るのに、コオロギに必要な餌は牛の6分の1です。羊の4分の1、豚や肉用鶏の2分の1で済みます。

体重を1キロ増やすのに昆虫なら餌2キロ、牛なら8キロという比較もあります。温室効果ガスも少なく、豚は体重1キロあたりでミールワームの10倍から100倍を出すと報告されています。

少ない餌と水で同じたんぱく質が得られる点が最大の強みです。

効率がよい理由は変温動物だから

なぜここまで差がつくのでしょうか。FAOは、昆虫が変温動物であることを理由に挙げています。

牛や豚は食べたものの多くを体温の維持に使いますが、昆虫にはその必要がありません。食べた分をそのまま体を作ることへ回せるのです。

さらに、生ゴミや食品工場の残りかすを餌にできる種類が多く、人の食べ物と餌を奪い合いにくい利点もあります。

日本にも昆虫食の歴史がある

昆虫食は新しい流行ではありません。長野県の伊那谷では、いなごの佃煮や蜂の子が郷土料理として受け継がれてきました。

海から遠い山あいで、少ない動物性たんぱく質を補うための食べ物だったからです。カイコのさなぎやざざむしを食べる習慣も残っており、農林水産省もいなごの佃煮を長野県の郷土料理として紹介しています。

世界を見ても、昆虫を食べる文化は熱帯地域を中心に広く続いてきました。

残っている課題は安全性と値段

良い面だけを並べるのは正確ではありません。欧州食品安全機関(EFSA)は乾燥ミールワームを評価し、示された使い方なら安全だと2020年に結論づけました。

この評価を受けて、EUは2021年に昆虫を食品として初めて認可しています。ただし安全と評価されたのは乾燥や冷凍といった加工を経た製品で、生きたまま食べる形は対象外です。

同じ評価書は、エビやカニ、ダニのアレルギーを持つ人に交差反応が起きうると明記しました。生産量がまだ少なく、大豆や鶏肉より高くつく点も課題として残っています。

昆虫が明日の食卓の主役になることはありません。それでも、家畜や養殖魚の餌や、粉にして混ぜる加工食品の材料としてなら、すでに実用の段階に入っています。

店頭でコオロギ入りの菓子を見かけたら、増え続ける人口を見すえた実験の一つだと思って手に取ってみてください。

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