虹はなぜ7色なの?色の数の意外な真実
虹が7色なのは、自然がそう決めたからではありません。切れ目のない光の帯を7つに区切ったのは、科学者アイザック・ニュートンです。
しかも彼は、最初は5色として書き残していました。7という数字が決まった裏には、音楽が関わっています。
色は切れ目なくつながっている
虹は、太陽の光が空気中の水滴で分けられて生まれます。光は水滴に入るときに曲がり(屈折)、内側で反射し、出るときにもう一度曲がります。
曲がる角度は光の波長ごとにわずかに違います。その結果、赤い光は太陽と反対の方向から約42度、紫の光は約40度の位置に返ってきます。
すべての色は、このわずか2度ほどの幅にすき間なく並んでいます。だから虹には、どこからが黄色でどこからが緑か、という境目がありません。
7色に分けたのはニュートン
1660年代、ニュートンはプリズムで太陽光を分け、はじめは赤・黄・緑・青・紫の5色として記録しました。あとから橙(オレンジ)と藍(インディゴ)を加えて7色にします。
理由は、ドレミの音階が7音であることになぞらえたためです。7という数は観察の結果ではなく、ニュートンが当てはめた枠組みでした。
「藍」だけ見つからない理由
7色を数えようとして、藍だけ見つけられない人は多いはずです。原因は、ニュートンの時代と今とで色の名前が指す範囲がずれていることにあります。
ニュートンが「青」と呼んだ色は今でいう水色(シアン)に近く、彼が「藍」と呼んだ色が今の青にあたります。現代の科学者にも、藍は青と近すぎて別の色として区別できないと考え、6色と数える人がいます。
見分けられる数は言葉で変わる
色の数え方は、使う言語にも左右されます。色を表す基本的な言葉が少ない言語の話し手ほど、虹から見分ける色の帯が少なくなることが知られています。
同じ虹を見ていても、手持ちの色名の数までしか区切れないのです。英語圏には赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の頭文字を並べた「ロイ・G・ビヴ」という覚え方があります。
ただし「どの国は何色」と国ごとに断定できる資料は乏しく、国名と色数を並べた話には裏づけのないものも混じっています。
虹はあなた専用に見えている
虹は、空のどこかに実体として浮かんでいるわけではありません。太陽を背にした自分の影の方向を中心に、40度から42度離れた無数の水滴から光が届き、円弧に見えているだけです。
立つ場所が変われば、光を届ける水滴も入れ替わります。厳密には、右目と左目でさえ別の虹を見ています。
外側にもう1本うすい虹が見えたら、それは水滴の中で光が2回反射してできた副虹です。位置は50度から53度と、内側の虹の約10度外側。
反射が1回増えるぶん、色の順番も内側の虹と逆になります。
2本そろって出たとき、そのあいだの空だけがまわりより暗く見えます。水滴が返す光は40度から42度と50度から53度に集まるため、はさまれたすき間にはほとんど光が届かないのです。
この暗い帯は「アレクサンダーの暗帯」と呼ばれます。名前の由来は、西暦200年ごろにこの現象を書き残したアフロディシアスのアレクサンドロス。虹の観察は1800年以上前から続いています。
次に虹を見たら、7色を数えるのはやめてみてください。境目を探すのをやめた瞬間、赤から紫まで途切れずに移り変わる帯が見えてきます。
数えるための7色より、そちらのほうが本当の虹の姿です。
参考にした資料