真夜中でも空が明るい、太陽が沈まないノルウェーの白夜
ノルウェー北部では、夏のあいだ太陽が一日中沈みません。真夜中でも空が明るいこの現象を白夜と呼びます。
原因は、地球の地軸が約23.4度傾いたまま太陽のまわりを回っていることです。同じ傾きが、冬には太陽の昇らない極夜をもたらします。
地軸の23.4度が生む景色
地球は、公転面に垂直な線から約23.4度かたむいたまま太陽のまわりを回っています。夏の北半球は北極側を太陽に向けているため、高緯度の土地は一日中、光の当たる側にとどまります。
太陽は沈まず、地平線の近くを横へ移動していく。地軸の傾きだけで、この景色は説明がつきます。
半年後、地球は軌道の反対側に来ます。同じ23.4度の傾きが、今度は北極側を太陽から遠ざけます。だから白夜のある土地には、必ず極夜も来ます。
境界は北緯66度34分
白夜が起きる範囲の南限が北極圏です。現在の位置は北緯66度33分51秒で、地図にはふつう「北緯66度34分」と書かれます。
この線は固定されていません。月の引力の影響で地軸の傾きは約4万1千年の周期で2度ほど揺れ動き、北極圏の線はいま1年に約14.5メートルずつ北へ動いています。
北極圏の少し外でも見える
実際には、北極圏の線より少し南でも白夜は見られます。理由は二つあります。
一つは大気が光を曲げるため、地平線の下にある太陽が浮き上がって見えること。もう一つは、太陽が点ではなく直径を持った円盤であることです。
この二つによって、白夜の見える範囲は北極圏より最大90キロほど南へ広がります。
場所によって長さがまるで違う
白夜の長さは緯度で決まります。北極圏の内側にあるトロムソでは、5月20日ごろから7月22日ごろまでのおよそ63日間。
さらに北のスヴァールバル諸島ロングイェールビーンでは4月19日から8月23日まで続き、127日にのぼります。北極点では約半年、3月18日ごろから9月24日ごろまで太陽が沈みません。
極夜は真っ暗ではない
冬の高緯度では、太陽が一日中地平線の上に出てきません。ただし24時間まっ暗になるわけではありません。
ノルウェー政府観光局の説明によれば、晴れた日には正午前後に明るさが戻り、空がピンクや赤に染まることもあります。雪と海が光を反射して一帯が青く見える時間帯もあり、現地ではブロータイメン(青の時間)と呼ばれています。
期間はトロムソで11月末から1月中旬まで、ノールカップ(北岬)で11月末から1月末まで。ロングイェールビーンでは10月末から2月初めまで続き、そのうち11月中旬から1月末がもっとも暗い時期にあたります。
北極圏の入口にあたるボードーでは、太陽が昇らない本当の極夜は起きません。12月後半に南側の山が太陽をさえぎるだけです。
緯度が少し違うだけで、冬の姿はここまで変わります。
白夜も極夜も、遠い北の地だけの奇跡ではありません。地軸が23.4度傾いたまま公転しているという、地球全体に効いている一つの条件の現れ方です。
沈まない太陽を見たいなら、5月下旬から7月中旬の北ノルウェーが確実な行き先になります。
参考にした資料