OSの更新はなぜ急いだほうがいい?たまった更新の当て方と、自動更新の設定
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OSの更新は、見つかった穴をふさぐ作業です。修正が配られても、自分の端末に当てなければ穴は開いたまま残ります。通知が来たら早めに当て、自動更新はオンのまま保つのが基本です。
この記事では、後回しにしていた更新の当て方と、Windows・iPhone・Androidで自動更新を確かめる場所をまとめます。
更新を後回しにすると、穴が開いたままになる
「再起動が必要です」の通知を、何日も閉じ続けていませんか。その間、端末には脆弱性が残っています。
脆弱性(セキュリティホール)は、プログラムの不具合や設計のミスから生じる、セキュリティ上の欠陥です。総務省によると、悪用されると外から不正にアクセスされたり、ウイルスの感染経路になったりします。ほかの機器を攻撃する踏み台に使われる例もあります。対象はパソコンとスマホだけではありません。家電やカーナビなど、ネットにつながる機器も含まれます。
穴は、作った会社が配る修正プログラム(アップデート)でふさぎます。総務省は、脆弱性が残っていると、ほかの対策をしても攻撃を防ぎきれないと書いています。玄関の鍵をどれだけ頑丈にしても、窓が開いていれば入られるのと同じです。総務省が示す基本の3つの対策でも、筆頭は「ソフトウェアを最新に保とう」です。
穴は、毎年4万件規模で見つかっている
IPA(情報処理推進機構)の脆弱性データベース「JVN iPedia」には、2025年の1年間で41,742件が登録されました。深刻度の内訳は、「緊急」が14.7%、「重要」が35.5%です。半分ほどが、重いほうの2段階に入ります。
ただし、この件数の大半は海外のデータベースから取り込んだものです。4万件の穴が全部、手元のスマホにあるわけではありません。わかるのは、世界中のソフトで新しい穴が見つかり続けていることです。
修正から約2か月で、世界に広がった例
実際に起きた例があります。2017年3月14日、MicrosoftはWindowsのファイル共有の機能にあった脆弱性を直す更新プログラム「MS17-010」を公開しました。外からプログラムを動かされてしまう、重い穴でした。
約2か月後の5月12日ごろから、ランサムウエア(データを人質にとって身代金を求めるウイルス)「WannaCrypt」の被害が世界中で報告されます。JPCERT/CC(JPCERTコーディネーションセンター)によると、ネットワークの中で感染を広げるのに使われたのは、MS17-010で直されていた穴でした。国内でも被害が出ており、外で使うノートパソコンが、持ち主の気づかないうちに感染した例もあります。
Microsoftは5月13日、すでにサポートを終えていたWindows XPなどにも、緊急で修正を配りました。JPCERT/CCが最初に挙げた対策は、OSを最新にしてMS17-010を当てることです。2017年当時のWindowsの話で、今も同じ形で起きるとは限りません。それでも、直す手段が先に配られていたことは覚えておく価値があります。
たまった更新を当てる手順
しばらく更新していない端末は、次の順に進めます。各社の公式ヘルプに書かれている準備をまとめました。
- 写真や書類をバックアップする。Appleは、アップデートの前にバックアップを取るよう勧めています。
- 電源とWi-Fiにつなぐ。Googleは、Androidの更新前にWi-Fiに接続し、電池を75%以上にするよう勧めています。大きな更新は時間がかかります。
- VPNを切る。Appleによると、VPNやプロキシを使っていると、アップデートのサーバーに接続できない場合があります。
- 設定の画面から更新を確かめて、インストールする。場所は下の表のとおりです。
- 再起動する。PixelはAndroidの更新を裏でインストールし、次に再起動したときに切り替えます。再起動を先送りすると、更新は効かないままです。
iPhoneは空き容量が足りないと、アプリを一時的に削除して更新し、終了後に自動で入れ直す場合があります。
| OS | 更新の場所 | 自動更新のしくみ |
|---|---|---|
| Windows 11 | スタート→設定→Windows Update | 自動でダウンロードとインストールをする。完全には止められないが、一時停止や再起動の日時の指定はできる |
| iPhone | 設定→一般→ソフトウェアアップデート→自動アップデート | 「自動インストール」がオンなら、充電中でWi-Fiにつながっている夜間に更新する。インストールの前に通知が来る |
| Android | 設定→システム→ソフトウェア アップデート | ほとんどのシステムアップデートとセキュリティパッチは自動でインストールされる。提供の時期は機種や通信会社で違う |
自動更新は、オンのままにしておく
更新を早く当てるいちばん確かな方法は、自動に任せることです。フィッシング対策協議会のガイドラインも、最新のOSやアプリには自動更新の機能があるので活用するよう勧めています。脆弱性があると、利用者が気づかないうちに感染や攻撃を受けるからです。
Windowsの再起動が作業中に始まって困る人は、更新を止めるのではなく「アクティブ時間」を設定します。ふだん使う時間帯を登録すると、使っていない時間に再起動します。Windowsの更新には、年に1回ほどの機能更新と、もっと頻繁な品質更新があります。セキュリティの修正が入るのは主に品質更新のほうです。
iPhoneは、自動アップデートの中の「自動インストール」がオフになっていないか確認します。オフのままだと、ダウンロードだけ済んで、インストール待ちで止まる場合があります。
Windows 10のパソコンは、もう直らない
⚠ Windows 10のサポートは、2025年10月14日に終わりました。Microsoftは無償の更新やセキュリティの修正を終え、Windows 11への移行を勧めています。総務省によると、サポートが終わると、脆弱性が見つかっても修正されません。Office 2016の延長サポートも同じ日に終わっています。
今もWindows 10を使っている場合の選び方は3つです。
- Windows 11に上げる(パソコンが条件を満たす場合)
- 拡張セキュリティ更新(ESU)に登録して、2027年10月12日まで重大な修正だけを受け取る
- Windows 11が動くパソコンに買い替える
ESUはWindows 10のバージョン22H2が対象です。登録の方法は3つです。PCの設定の同期(追加費用なし)、Microsoft Rewardsの1,000ポイントとの交換、30米ドル相当の一回払いです。1つのライセンスで最大10台に使えます。機能の改善やサポートは含まれません。推奨は、使い続けたいパソコンならESUに登録し、2027年10月までに移る先を決めることです。
スマホも数年でサポートの対象から外れます。Googleによると、古い端末では新しいバージョンのAndroidが動かない場合があります。
セキュリティソフトは、更新の代わりにならない
穴をふさげるのは、その穴を作った会社の修正だけです。サポートが切れたOSの穴は、セキュリティソフトを入れても残ります。ソフトの役目は、怪しいサイトやファイルに気づくことです。更新とは役割が違います。
Windowsには、標準でMicrosoft Defenderが入っています。家族のスマホやMacも一緒に守りたい人は、市販のソフトを選ぶ手もあります。入れれば防げる道具ではなく、更新と組み合わせて使います。価格は台数・年数や時期で変わるので、リンク先の公式ストアで確かめてください。
ウイルスバスター クラウド(トレンドマイクロ公式ストア)。Windows・Mac・Chromebook・Android・iPhone/iPadに対応し、1本で3台まで使えます(1台にOSが1つの場合)。
向いている人:家族のパソコンとスマホを、まとめて守りたい人。向かない人:サポートの切れたWindows 10を、ソフトで延命したい人(OSの穴はふさげません)。
注意:「あんしん自動更新」を選ぶと、契約の期限の前月末までに、登録したカードから1年分の更新料金が自動で引き落とされます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
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ノートン 360 デラックス(ノートン公式ストア)。Windows・Mac・iPhone・Androidに対応し、台数と年数の違う版があります。ウイルス対策に加えてVPNが入り、Windowsでは自動オンラインバックアップの機能も使えます。
向いている人:更新の前のバックアップを、ソフトに任せたいWindowsの人。向かない人:写真や動画が多い人(バックアップの容量に上限があるので、外付けのドライブと併用します)。
注意:自動更新の有無は購入前に公式ストアで確認してください。自動更新の場合、更新時に自動で課金されます。止め方はメーカーの案内を確認してください。
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よくある疑問
- 更新しても、攻撃を受ける場合はありますか?
- あります。修正が配られる前の穴を狙う「ゼロデイ攻撃」です。総務省も、完全な対策は難しいとしています。修正が出るまでは、注意喚起の内容を確かめて、怪しいファイルを開かないなど危ない操作を避けます。修正が出たら、すぐに当てます。
- アップデートの通知が来ないのは、更新がないからですか?
- そうとは限りません。Androidの更新の時期は、機種・メーカー・通信会社で違います。表の場所から、手動で確かめてください。古い端末では、新しいバージョンが提供されない場合もあります。
- Windows 10のまま使い続けると、どうなりますか?
- パソコンは動き続けますが、新しく見つかった穴は直りません。ESUに登録すれば、2027年10月12日まで重大な修正を受け取れます。それまでに、Windows 11か次のパソコンへ移る準備をします。
- 家電やルーターも更新が要りますか?
- 要ります。総務省は、ネットにつながる家電やカーナビも脆弱性の対象だとしています。ルーターなら、管理画面や説明書でファームウェア(機器の中のソフト)の更新の方法を確かめてください。
まとめ
更新は、見つかった穴をふさぐ作業でした。2017年のWannaCryptでは、修正が出てから約2か月で、直していない端末に被害が広がりました。
今日のうちに、表の場所を開いてください。たまっている更新があれば当てて再起動し、自動更新がオンになっているかを確かめれば、次からは寝ている間に穴がふさがります。
参考にした資料
- 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト — 脆弱性とは
- 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト — サポート切れソフトウェアを利用しないようにしよう
- 総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト — 利用者の基本的な対策
- IPA — 脆弱性対策情報データベースJVN iPediaの登録状況[2025年第4四半期(10月~12月)]
- Microsoft — マイクロソフト セキュリティ情報 MS17-010
- JPCERT/CC — ランサムウエア "WannaCrypt" に関する注意喚起
- Microsoft サポート — Windows Update: よくあるご質問
- Microsoft — Windows 10 の拡張セキュリティ更新プログラム
- Apple サポート — iPhoneやiPadをアップデートする
- Google — Android のバージョンを確認して更新する
- フィッシング対策協議会 — 利用者向けフィッシング詐欺対策ガイドライン 2024年度版
- トレンドマイクロ — ウイルスバスター クラウド
- ノートン公式ストア 楽天市場店 — 製品比較