世界最大級ともいわれるブラジルの祭典とは
リオのカーニバルは、ギネス世界記録に「世界最大のカーニバル」として登録されている祭典です。ブラジルのリオデジャネイロで、キリスト教の四旬節が始まる直前の数日間に開かれます。
街には毎日およそ200万人が繰り出し、専用の会場ではサンバ学校が優勝をかけて競い合います。華やかな踊りの裏側にあるのは、分刻みの持ち時間と細かな採点表です。
日付が毎年ずれる理由
カーニバルは「灰の水曜日」の前の金曜日に始まり、灰の水曜日に終わります。灰の水曜日は四旬節の初日で、その日付は復活祭から逆算して決まります。
復活祭は春分のあとの満月をもとに決まるため、カーニバルも毎年2月から3月の間で動きます。「今年は2月だったのに来年は3月」と年によって変わるのは、このためです。
会場はニーマイヤー設計のサンボードロモ
パレードの舞台は「サンボードロモ・マルケス・ジ・サプカイ」です。ブラジルを代表する建築家オスカー・ニーマイヤーが設計し、1984年3月に完成しました。
約2500人の作業員が動員され、工期はおよそ110日。全長700メートルほどの通りの両側に観客席が並び、2012年の改修後の収容人数は7万2500人です。
観客席の下には115の教室が作られていて、カーニバル以外の時期は学校として使われています。
採点は9項目、審査員は36人
最上位グループ「グルーポ・エスペシアル」の12校が優勝を争います。持ち時間は1校あたり70分から80分で、短すぎても長すぎても1分ごとに0.1点引かれます。
審査されるのは9項目です。打楽器隊(バテリア)、テーマ曲(サンバ・エンレード)、進行の調和(ハルモニア)、隊列の動き(エヴォルソン)、テーマ(エンレード)、山車と装飾、衣装、先頭を歩く集団(コミサォン・ジ・フレンチ)、旗手とその相方(メストレ・サラとポルタ・バンデイラ)。
各項目に4人ずつ、合計36人の審査員がつきます。点数は9.0から10.0の間で付けられ、各項目の最低点は1つ捨てられます。
審査員1人の辛口な判断だけで順位がひっくり返らない仕組みです。
準備は前の年の夏から
テーマは前の年のうちに決まります。2025年のテーマは、2024年8月30日にシダージ・ド・サンバで開かれた「エンレードの夜」で、12校がそれぞれ踊りや芝居を交えて発表しました。
山車や衣装は、この港の再開発地区にある各校の作業場で何か月もかけて作られます。曲づくりはさらに時間がかかり、テーマ発表の時点でもまだ候補曲を選んでいる学校がありました。
始まりは1932年の広場
競争としてのパレードが始まったのは1932年2月7日です。会場は市の中心部にあったプラッサ・オンゼという広場で、優勝したのはマンゲイラでした。
最初のサンバ学校は、1928年に生まれた「デイシャ・ファラール」とされています。広場に集まる催しが、90年ほどで7万人規模の競技場を持つ祭典に育ったわけです。
テレビ中継で目に入るのは衣装と音楽ですが、実際には0.1点を争う採点競技です。次に映像を見るときは、隊列の先頭と最後尾がどこにあるかを追ってみてください。時間との戦いが見えてきます。
参考にした資料