雑学

お札にも寿命がある?千円札と一万円札で違う理由

2026年7月 · 読了2分
お札にも寿命がある?千円札と一万円札で違う理由

お札には寿命があります。日本銀行によると、平均寿命は千円札で1年から2年、一万円札で4年から5年です。

同じ紙、同じ印刷なのに3倍近い差がつくのは、使われ方がちがうからです。お札の一生を決めているのは年月ではなく、人の手を渡った回数なのです。

寿命は券種で3倍ちがう

日本銀行が示す銀行券の平均寿命は、一万円券が4年から5年程度、五千円券と千円券が1年から2年程度です。五千円札は金額こそ千円札の5倍ですが、寿命は千円札と同じ側に入ります。

理由はつり銭としてやり取りされる機会が多いことです。折られ、こすられ、財布に押し込まれる回数が多いほど、紙は早く傷みます。

金額の大きさではなく、流通の速さが寿命を決めています。

引退を決めるのは「鑑査」

お札は使い切って自然に消えるのではなく、日本銀行で判定されて引退します。金融機関から戻ってきたお札は自動鑑査機にかけられ、本物かどうかと枚数が確認されたうえで、汚れや傷みの度合いによってもう一度流通させてよいかどうかが分けられます

合格したお札は再び金融機関へ支払われ、不合格になったお札は復元できない大きさに裁断されます。

裁断されたお札のゆくえ

細かく裁断された紙くずは、そのまま捨てられるわけではありません。日本銀行によると、裁断くずはトイレットペーパーなどにリサイクルされています。

それ以外は一般廃棄物として、各地方自治体の焼却施設で焼却処分されます。役目を終えたお札が、形を変えて暮らしの中に戻ってくるということです。

そもそもお札は木の紙ではない

1年から2年も手から手へ渡って形を保てるのは、紙そのものが特別だからです。日本のお札は国立印刷局がつくっており、原料にはみつまたやアバカ(マニラ麻)などの植物繊維が使われています。

人の手で何度もやり取りされ、機械にかけられることに耐えるよう選ばれた素材です。厚さは1枚で約0.1ミリ、重さは約1グラム。

千円札の大きさは縦76ミリ、横150ミリです。この寸法はずっと同じではなく、明治24年の改造百円券は縦130ミリ、横210ミリと今よりはるかに大きなものでした。

用紙にすき込まれた白黒すかしは、偽造を防ぐ役割も果たします。印刷に使われる色は20色以上にのぼります。

2024年に切り替わった新しいお札

現在の一万円券、五千円券、千円券は、2024年(令和6年)7月3日に発行が始まりました。お札には1枚ずつ記番号が印刷されており、その組み合わせは2985億9840万通りにのぼります。

新しいお札に切り替わっても、これまでのお札が使えなくなるわけではありません。古いお札は鑑査で選り分けられ、傷んだものから順に姿を消していきます。

次に千円札を受け取ったら、角の折れ具合を見てみてください。しわの深い一枚は、この1年から2年のあいだに何十人もの手を渡ってきた紙です。

まもなく日本銀行で鑑査を受け、トイレットペーパーに生まれ変わるのかもしれません。

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