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サハラ砂漠の広さがアメリカ一国とほぼ同じって本当?

2026年7月公開 · 2026年9月更新 · 読了7分
サハラ砂漠の広さがアメリカ一国とほぼ同じって本当?

本当です。サハラ砂漠の面積はおよそ920万平方キロメートルで、アメリカ合衆国の983万平方キロメートルとほぼ肩を並べます。日本の国土なら約24個分です。

ただし「一面が砂の海」というイメージは正確ではありません。砂丘や砂に覆われているのは全体の4分の1ほどで、残りは岩と礫の大地です。広さの数字の幅や「世界最大」の正しい意味、雨と気温の実際、かつて緑の草原だった歴史までを順に見ていきます。

アメリカ一国とほぼ同じ

サハラ砂漠の面積は約920万平方キロメートル。アメリカ合衆国の総面積983万平方キロメートルとほぼ同じ規模です。

日本の国土(約38万平方キロメートル)に置き換えると、およそ24個分にあたります。

この広がりはアフリカ大陸の約31パーセントを占めます。東西の長さはおよそ4800キロメートル、南北の幅は最大でおよそ1800キロメートルあります。

東の紅海から西の大西洋まで続き、北は地中海に面しています。大陸の北側を、ほぼ端から端まで横断している形です。

面積の数字に幅がある理由

サハラの面積は、資料によって数字が少しずつ違います。ブリタニカ百科事典は約860万平方キロメートル、英語版ウィキペディアは約920万平方キロメートル、940万平方キロメートルとする記事もあります。

違いが出るのは、砂漠の境界線をどこに引くかで結果が変わるからです。サハラの南側は、半乾燥地帯のサヘルへ少しずつ移り変わっていきます。どこからを砂漠と呼ぶかは、基準の置き方しだいです。

雨の多い年と少ない年で乾燥地帯が広がったり縮んだりするため、一つに定まった数字はありません。「アメリカとほぼ同じ」という比べ方は、どの数字を使っても大きくは外れません。

「世界最大」の正確な意味

サハラは世界最大の砂漠と紹介されがちですが、正しくは「世界最大の暑い砂漠」です。砂漠という言葉は砂の有無ではなく降水量の少なさで決まるため、氷に覆われた南極大陸と北極域も砂漠に数えられます。

面積の大きな砂漠(Wikipedia「List of deserts by area」掲載値。日本の面積は国土地理院)
順位砂漠種類面積日本の何個分か
1南極寒冷(氷)約1420万km²約38個
2北極寒冷(氷)約1390万km²約37個
3サハラ砂漠亜熱帯約920万km²約24個
4アラビア砂漠亜熱帯約233万km²約6個
5オーストラリアの砂漠群亜熱帯約137万km²約3.6個
6ゴビ砂漠冬に寒い約130万km²約3.4個
7カラハリ砂漠亜熱帯約90万km²約2.4個

南極と北極はサハラより広く、サハラは全体では3番目です。それでも暑い砂漠の中では2位のアラビア砂漠の約4倍あり、飛び抜けた大きさであることに変わりはありません。

4分の3は砂ではない

英国王立地理学会の雑誌「ジオグラフィカル」によると、砂の平原や砂丘に覆われているのはサハラの表面の25パーセントあまりです。残りの4分の3を占めるのは、ハマダと呼ばれる岩がむき出しの台地、レグと呼ばれる礫に覆われた平原、ワジと呼ばれる涸れ川、そして干上がった湖や塩の平原です。

写真で有名な砂丘の海はエルグと呼ばれます。最大のグラン・エルグ・オリエンタルはおよそ30万8000平方キロメートルで、これだけで日本の国土の約8割に相当します。砂丘そのものも巨大で、高さ180メートルを超えるものも珍しくありません。

起伏も大きく、最も高いのはチャドのティベスティ山地にある火山エミ・クーシで、標高3415メートル。富士山(3776メートル)に迫る山が、砂漠の中にそびえています。反対に、エジプトのカッタラ低地は海面下133メートルまで下がります。

地下水がわき出す場所はオアシスとなり、主なものだけでおよそ90か所あります。ただしアメリカほどの広さに90か所なので、オアシスどうしは遠く離れて点在しています。

雨と気温の実際

降水量は場所によって大きく違います。北と南の縁では年間100から250ミリメートル程度ありますが、中央部の極端に乾いた地域では年に1ミリメートルに届きません。

サハラのおよそ31パーセントが年間10ミリメートル以下、17パーセントが5ミリメートル以下という土地です。日照時間は年に3600〜4300時間に達し、昼のあいだの82〜98パーセントは太陽が照っています。

気温はどこでも年平均で20度を超えます。アルジェリアのブー・ベルヌースでは、月平均の最高気温として世界最高の47度が記録されています。砂の表面温度は80度に達し、83.5度という記録もあります。

日中に50度、夜は氷点下といった極端な話が語られることもあります。夏の日中は50度を超え、冬の夜はマイナス6度前後まで下がることがあるのは事実ですが、これは季節の違う話です。1日の中の昼夜の差は平均で13度から20度ほどで、湿度の高い海沿いでは10度未満にとどまります。

緑のサハラと、アマゾンへ飛ぶ砂

サハラはずっと砂漠だったわけではありません。北アフリカでは、過去800万年のあいだに230回を超える湿潤期があり、およそ2万1000年ごとに繰り返してきたことがわかっています。

湿潤期のサハラは「緑のサハラ」と呼ばれ、草原に変わって植物や動物が今よりずっと多く暮らします。直近では、最後の氷期が終わったあとの紀元前8000年から紀元前6000年ごろに雨の多い時代がありました。

いまのチャド湖は、この時代に広がっていた巨大な湖「メガ・チャド」の名残です。乾いた大地の下に、ほんの数千年前の水辺の記憶が残っているのです。

この古い湖の跡は、いまも遠く離れた森を支えています。チャドのボデレ低地は昔の湖底で、死んだ微生物に由来するリンを多く含む鉱物が堆積しています。ここから巻き上げられた砂ぼこりが、貿易風に乗って大西洋を渡るのです。

NASAが人工衛星CALIPSOの2007〜2013年の観測から見積もったところ、サハラから飛び出す砂ぼこりは年に1億8200万トン。そのうち2770万トンがアマゾン川流域に降り、4300万トンはカリブ海まで届きます。量は年によって大きく変わり、最も多かった2007年と最も少なかった2011年では86パーセントの差がありました。

アマゾンに届くリンは年に約2万2000トンで、雨や洪水で森から流れ出るリンの量とほぼ同じでした。栄養の乏しいアマゾンの土を、サハラの砂が補っている計算です。

名前の意味と、またがる国々

サハラという名はアラビア語で砂漠を意味する語に由来します。つまり「サハラ砂漠」は「砂漠砂漠」という重ね言葉です。

またがる国と地域は、アルジェリア、チャド、エジプト、リビア、マリ、モーリタニア、ニジェール、スーダン、西サハラ、そしてモロッコとチュニジアの一部にのぼります。これだけの広さに暮らす人はおよそ250万人で、1平方キロメートルあたり0.3人ほどの計算です。

よくある疑問

サハラ砂漠は日本の何倍の広さですか?
約24倍です。サハラの約920万平方キロメートルを、日本の国土の約38万平方キロメートルで割ると24.3になります。境界の取り方で面積の数字には幅がありますが、20倍を下回ることはありません。
サハラ砂漠は世界一大きい砂漠ですか?
暑い砂漠の中では世界一です。降水量で見ると南極と北極も砂漠に入るため、全体では3番目になります。
サハラ砂漠はどれくらい砂ですか?
砂や砂丘に覆われているのは表面の4分の1ほどです。残りは岩の台地や礫の平原、涸れ川、塩の平原などです。写真でよく見る砂丘の景色は、サハラの一部にすぎません。

まとめ

サハラ砂漠は約920万平方キロメートルで、アメリカ合衆国とほぼ同じ、日本の約24個分の広さです。暑い砂漠では世界最大ですが、南極と北極を含めると3番目になります。

砂に覆われているのは4分の1ほどで、残りは岩と礫の大地です。数千年前には草原だった時代もありました。地図でサハラを見るときは、黄色く塗られた部分を砂だけで想像しないでください。岩山や涸れ川、チャド湖のような昔の水辺の名残も探してみると、本当の姿が見えてきます。

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