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しゃっくりはなぜ出る?横隔膜のけいれんのしくみ

2026年7月 · 読了2分
しゃっくりはなぜ出る?横隔膜のけいれんのしくみ

しゃっくりの正体は、肺の下にある「横隔膜」という筋肉のけいれんです。医学では吃逆(きつぎゃく)と呼ばれます。

けいれんの直後にのどの奥にある声門がぱっと閉じ、流れ込む空気がせき止められて「ヒック」と鳴ります。ほとんどは自然におさまりますが、2日を超えて続くときは別の理由が隠れていることがあります。

横隔膜は呼吸を動かす筋肉

横隔膜は、胸とお腹を仕切っている薄い筋肉です。息を吸うときに下がって肺をふくらませ、吐くときにもとの位置へ戻ります。

私たちが意識していないあいだも、横隔膜はこの上下運動を一日中くり返しています。しゃっくりは、その規則正しい動きに割り込むように起こる、突然の収縮です。

縮むのは横隔膜だけではありません。あばら骨のあいだにある肋間筋という呼吸の筋肉も一緒に引きつり、二つの動きが重なって空気が一気に吸い込まれます。

「ヒック」は声門が閉じる音

横隔膜が急に縮むと、空気が勢いよく肺へ流れ込みます。その直後に声門が閉じて空気の通り道をふさぐため、あの短い音が生まれます。

声門が閉じるのは、息を吸いすぎて呼吸が乱れるのを防ぐ働きでもあります。しゃっくりの回数は1分間に4回から60回ほどで、けいれんは左右の横隔膜のうち左側に起こることが多いと報告されています。

自分の意思で止められない理由

しゃっくりは、脳と横隔膜を結ぶ反射の回路で起きています。胃や食道などからの刺激が迷走神経・横隔神経・交感神経を通って延髄へ伝わり、そこから横隔神経が横隔膜へ「縮め」という命令を送ります。

まばたきやくしゃみと同じで、意思とは別のところで回っている反射です。息を吸う動きは自分で調節できるのに、しゃっくりだけ止められないのは、この回路が意思の外にあるからです。

きっかけは胃のふくらみと急な刺激

一時的なしゃっくりの引き金でよく知られているのは、胃が急にふくらむことです。早食い、食べすぎ、炭酸飲料、アルコール、熱いものや刺激の強い食べ物が代表例です。

速く深い呼吸が続いて血液中の二酸化炭素が減ったときにも起こりやすくなります。心当たりのある場面で始まることが多いはずです。

確実な止め方は見つかっていない

息を止める、乾いたパンや砂糖を飲み込む、紙袋を口にあてて呼吸する。昔から伝わる止め方はたくさんあります。

ただしMSDマニュアルは、こうした物理的な手技について効果がない可能性があり、勧めるだけの確かな根拠はないとしています。驚かせれば止まるという話も、広く語られてはいますが裏づけのない俗説です。

医学では48時間以内でおさまるものを急性、2日を超えるものを持続性、1か月を超えるものを難治性と分けています。世界最長の記録はアメリカのチャールズ・オズボーンさんで、1922年から1990年2月までの68年間続きました。

ふだんのしゃっくりは、何もしなくてもたいてい短時間で消えます。試すなら好きな方法でかまいません。

ただし数日たっても止まらないときは、胃や神経の病気が隠れていないか医療機関で相談してください。

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