雑学

東京タワーがエッフェル塔より高いのを知っていますか?

2026年7月 · 読了3分
東京タワーがエッフェル塔より高いのを知っていますか?

東京タワーの高さは333メートル。手本にしたパリのエッフェル塔は、1889年の完成時で312メートルでした。

21メートルだけ高い計算になります。ただし、エッフェル塔に勝つために333メートルにしたわけではありません。この数字を決めたのは、テレビの電波でした。

333メートルは電波が決めた

東京タワーの公式サイトは、高さの根拠をはっきり説明しています。東京のVHFテレビ7局以上と、これから開局が予定されるUHFテレビ局が、関東一円をサービスエリアとして電波を送る。

そのために必要な鉄塔の高さを電波科学の専門家が検討した結果が、333メートルでした。3が3つ並ぶのは偶然です。

それまで各局は自前の電波塔を別々に建てていて、視聴者はチャンネルを替えるたびに屋根のアンテナの向きを直す必要がありました。電波塔を1本にまとめる、というのが建設の目的だったのです。

エッフェル塔との差は、いまは3メートル

エッフェル塔はその後もアンテナを付け足しています。公式サイトが公表している現在の高さは約330メートル。

完成時の312メートルから18メートルほど伸びました。東京タワーは333メートルのままですから、差は3メートルにまで縮まっています。

それでも東京タワーのほうが高い、という関係は変わっていません。なお完成した1958年当時、東京タワーは自立式の鉄塔として世界一の高さでした。

現在の日本一は、2012年に完成した東京スカイツリーの634メートルです。

重さはエッフェル塔のおよそ半分

東京タワーに使われた鋼材は約4000トン。いっぽうエッフェル塔は、公式発表で鉄の骨組みだけで7300トンあります。

21メートル高いのに、重さは半分ほどです。差を生んだのは材料でした。

エッフェル塔の素材は「錬鉄」と呼ばれる鉄で、当時は鋼が高価で大量に作れなかったのです。70年後の東京タワーは、強い鋼を当たり前に使える時代の建物でした。

大展望台より上に、戦車の鉄

東京タワーの鉄骨には、朝鮮戦争でスクラップになったアメリカ軍の戦車の鉄が使われています。国立国会図書館のレファレンス事例には、複数の書籍がこの話を裏づけていることが記録されています。

民間業者がM4戦車など約90両を落札し、解体して形鋼に作り直し、主に大展望台より上の部分に使ったという内容です。当時の日本は良質な鋼材が不足していました。

ただし東京タワー自身がこの経緯を公式に説明しているわけではない、という点は押さえておきたいところです。

設計はすべて手計算、工期は1年半

設計を指導したのは、耐震構造の研究で知られる内藤多仲です。コンピューターのない時代ですから、風や地震に耐えるかどうかの計算は人の手で行われました。

工期は1年半、日数にして543日。延べ21万9335人が現場に入り、リベット16万8000本を打ち込んで、1958年12月23日に完成しています。総工費は当時の金額で約30億円でした。

東京タワーの333メートルは、見栄ではなく電波の計算から出た数字です。次に見上げるときは、地上150メートルの大展望台より上を意識して眺めてみてください。

そこから上が、戦車だった鉄が形を変えて立っている区画です。

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